認知症の母と耳の遠い父と離れて暮らす私—-泣きながら撮った1200日の記録
このたび、現役のテレビディレクターとして第一線で活躍する信友直子(56)が、故郷で離れて暮らす両親を記録・テレビ放送し大反響を呼んだドキュメンタリー、「ぼけますから、よろしくお願いします。」が追加取材・再編集を経て映画として完成、2018年11月3日より劇場公開することが決まりました。(劇場公開映画初監督作品)

認知症の患者を抱えた家族の内側を、ひとり娘である「私」の視点から丹念に描き、どの家族にも起こりうる普遍的な問題としてとらえたこのドキュメンタリーは、夫婦や家族のあり方を優しく見つめる一方で、年々深刻化する老老介護や介護離職問題の実態を通して人間の尊厳までをも浮き彫りにし、2016年9月のフジテレビ/関西テレビ「Mr.サンデー」で2週にわたる特集で話題を呼び、その後、継続取材を経て2017年10月にBSフジで放送されると、視聴者から再放送を希望する声が殺到しました。

▼監督の信友直子は、これまで数多くのドキュメンタリー番組を手掛け、放送文化基金賞奨励賞、ギャラクシー賞奨励賞を受賞するなど、放送界では言わずと知れた名物ドキュメンタリー作家で、本作が劇場初監督作品となります。

▼プロデューサーを務めたのは、テレビ界にとどまらず、映画製作はじめ映像分野の新たな可能性に挑戦し続けている大島新。5年前に亡くした自身の父・大島渚の看病・介護体験を経て、憧れの先輩ディレクターだった信友が自らの両親を撮った本作のテレビ版に惚れ込み、自らプロデューサーから製作・配給までを担い、映画化を実現しました。

2018年11月3日(土)〜東京ポレポレ東中野ほか全国順次劇場公開決定!!
■劇場情報:東京:ポレポレ東中野(東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下 /Tel.03-3371-0088)www.mmjp.or.jp/pole2
11/17(土)より:呉ポポロシアター(広島)、横川シネマ(広島)、シネマート心斎橋(大阪)、京都シネマ(京都)/11/24(土)より:シネマ尾道(広島)、元町映画館(兵庫)/11月上映:名古屋シネマテーク(愛知)/上映決定:ディノスシネマズ札幌劇場(北海道)、シネマイーラ(静岡)、長野相生座・ロキシー(長野)、シネマクレール(岡山)

Story
母、87歳、認知症。父、95歳、初めての家事。大反響のテレビドキュメンタリー、待望の映画化。
広島県呉市。この街で生まれ育った「私」(監督・信友直子)は、ドキュメンタリー制作に携わるテレビディレクター。18歳で大学進学のために上京して以来、40年近く東京暮らしを続けている。
結婚もせず仕事に没頭するひとり娘を両親は遠くから静かに見守っている。そんな「私」に45歳の時、乳がんが見つかる。めそめそしてばかりの娘を、母がユーモアたっぷりの愛情で支える母。
母の助けで人生最大の危機を乗り越えた「私」は、父と母の記録を撮り始める。だがファインダーを通し、「私」は少しずつ母の変化に気づき始めた…。
病気に直面し苦悩する母。95歳で初めてリンゴの皮をむく父。実家に帰る決心がつかず揺れる「私」。     
娘として手を差し伸べつつも、制作者としてのまなざしを愛する両親にまっすぐに向けた意欲作。

監督・撮影・語り:信友直子/プロデューサー:大島新、濱潤/2018年/日本/カラー/102分/www.bokemasu.com
製作配給:ネツゲン、フジテレビ、関西テレビ /配給宣伝協力:ポレポレ東中野、ウッキー・プロダクション
©「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会

◆監督・信友直子(のぶとも なおこ):1961年広島県呉市生まれ。1984年東京大学文学部卒業。1986年から映像制作に携わり、数多くのテレビドキュメンタリー番組を手掛ける現役ディレクター。「NONFIX 青山世多加」で放送文化基金賞奨励賞、「ザ・ノンフィクション おっぱいと東京タワー~私の乳がん日記」でニューヨークフェスティバル銀賞・ギャラクシー賞奨励賞を受賞。他、北朝鮮拉致問題・ひきこもり・若年認知症・ネットカフェ難民などの社会的なテーマから、アキバ系や草食男子などの生態という現代社会の一面を切り取ってきた。

◆プロデューサー・大島新(おおしま あらた): 1969年生まれ。ドキュメンタリー監督/プロデューサー。1995年早稲田大学第一文学部卒業後、フジテレビ入社。『NONFIX』『ザ・ノンフィクション』などドキュメンタリー番組のディレクターを務める。1999年フジテレビを退社。以後、MBS『情熱大陸』やNHK『課外授業ようこそ先輩』など数多くのテレビドキュメンタリーを手掛ける。2007年、ドキュメンタリー映画『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』を監督(第17回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー作品賞)2016年、映画『園子温という生きもの』を監督。映画プロデュース作品に『カレーライスを一から作る』など。映像製作会社ネツゲン代表。大島渚・小山明子夫妻の次男。