この度、国連史上最悪の政治スキャンダルを描いたポリティカル・サスペンス『バグダッド・スキャンダル』が11月3日(土)よりシネマカリテ他全国順次公開することが決定いたしました。

本作は、元国連職員のマイケル・スーサンが自身の体験を基に書き起こした2008年のベストセラー小説「Backstabbing for Beginners」の映画化作品。困窮するイラク国民を救うはずの夢の人道支援プログラム「石油・食料交換計画」の裏で行われていた国連史上最悪の政治スキャンダルを描く。「石油・食料交換計画」とは、国連がイラクの石油を管理し、その販売金でイラク国民に配給するという支援計画。しかし、総額640億ドル(約7兆1千億)という巨額の予算のため賄賂や不正が横行し2003年に終了した。当時の国連事務次長のベノン・セバン自身(本作での役名はコスタ・パサリス)の関与が調査により発覚したが、国連は調査協力を拒否したため現在も全貌が明らかになっていない。

主演のマイケルを演じたのは、世界的に大ヒットした『ダイバージェント』(14-16)シリーズで人気を博したテオ・ジェームズ。彼は、難民キャンプに赴くなど社会問題解決にも関心が高く、本作ではエグゼクティブ・プロデューサーも兼る。また、脇を固めるのは『ガンジー』(82)で第55回アカデミー賞主演男優賞受賞したベン・キングズレーや名作『ブリット』(68)で鮮烈な印象を残したジャクリーン・ビセットといった名優たち。監督は『ストックホルムでワルツを』(13)でスウェーデン映画界最高の栄誉である第49回ゴールデン・ビートル賞で監督賞を受賞したペール・フライが務める。

この程、第7代元国連事務総長のコフィ・アナン氏が死去したことをBCC放送などが報じた。80歳だった。アナン氏は、1962年に国連事務局に入り、世界保健機関や国連難民高等弁務官事務所勤務を経て、93年平和維持活動担当事務次長に、そして、97年に事務総長に就任した。在任中の2001年には、秩序ある平和な世界実現に向けた努力を評価され、国連とともにノーベル賞を受賞したほどの人望の厚い人物とされていた。しかし、そんなアナン元国連事務総長にも汚職事件関与の疑いがあったことはご存知だろうか?本作の題材となっている「石油・食料交換計画」の裏で横行した汚職は、彼が在任中に起きた世界中の大物政治家、大企業を巻き込んだ大事件だ。それも関わらず、国連が捜査協力を拒否した為真実が明らかになっていないままである。この事件が告発された当時、あまりに大規模な汚職のためアナン元国連事務総長に対し辞任を求める声も多かった。また、息子であるコジョ・アナンがこれにより不当な利益を得ているという事実が発覚したが証拠不十分という理由で不起訴となったという事実もある。果たして、彼はこの事件に関与していたのか?真実を知るものがひとり亡くなってしまった。人道支援の名の下で行われた最悪な政治スキャンダルを風化させないた為にも是非本作を見て当時の国連の真実を知って欲しい。

『バグダッド・スキャンダル』は、11月3日(土)よりシネマカリテほか全国順次公開致します

Story
2002年。24歳のアメリカ人青年マイケルは、念願だった国連事務次長の特別補佐官に任命され、国連が主導する「石油・食料交換プログラム」を担当することになった。これはイラクがクウェートに侵攻したことによる経済制裁の影響で、貧困にあえぐイラクの民間人を救う人道支援計画。国連の管理の元でイラクの石油を販売し、食料に変えてイラクの国民に配るというプロジェクトだ。一見理想的な政策に見えるこのプロジェクトに実はフセイン自身が関与し、国連を中心とした世界各国の企業や官僚機構が関わっていることが判明。やがて世界に例を見ない巨額の汚職事件に発展していく。実話を基にしたポリティカル・サスペンス。

原作:マイケル・スーサン 監督・脚本:ペール・フライ 脚本:ダニエル・パイン
出演:テオ・ジェームズ、ベン・キングズレー、ジャクリーン・ビセット、レイチェル・ウィルソン  
2018年/デンマーク=カナダ=アメリカ/原題:Backstabbing for Beginners /106min/5.1ch/シネスコ/カラー 配給:アンプラグド
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