デビュー10周年を迎える人気作家・湊かなえが、母と娘の関係を軸にしながら人間の情念を抉り取るように描き、第155回直木賞候補作ともなった極上のイヤミス短編集「ポイズンドーター・ホーリーマザー」。
この度、全6編がWOWOWで連続ドラマとして映像化されることが決定した。
それぞれの場所でそれぞれに生きる女性たちが抱く激しい情念や苦悩、そして冒してしまう過ち。しかし、見る角度が異なれば、それらは成功であり幸福でもある。善意と正しさのかけ違いが眼前の光景を鮮やかに反転させていく。人生も人間もある一面だけで判断してはならない、それがこの作品集の最大のテーマだ。彼女たちが棲むある共通した場所、それは、執念、恐怖、切迫、呆然、驚愕、爽快、感動、様々な感情が満ち溢れる「ポイズンワールド」。このドラマを観れば、きっとあなたもこの世界の住人であることに気づくだろう。

<ストーリー>
女優・藤吉弓香は、自分を思うようにコントロールしようとする母親の存在に小さいころから悩まされてきた。母親の佳香は、弓香にとってまさに「毒親」。佳香に反発して上京した弓香だったが、束縛から逃れられていたわけではなかった。佳香が裏で動いたことで男と別れ、大切な仕事を失っていたと知った弓香はトーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。一方、佳香を知る周囲の人間たちから見れば佳香は、決して「毒親」などではなく子ども想いの良き母親だった。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生を振り返ることになり、「子離れ」を決意するが…(「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」)。ほかに、「優しすぎて」殺人を犯してしまう(「優しい人」)、すべては自分のせいだと信じ続ける(「罪深き女」)、奔放な妹と対照的に40歳近くまで猫だけに心を開いてきた(「マイディアレスト」)、脚本家をめざしライバルの活躍に苛立ちを募らせる(「ベストフレンド」)、といったさまざまな女たちの姿が描かれていく。

原作:湊かなえ(『ポイズンドーター・ホーリーマザー』光文社文庫)
脚本:清水友佳子(「リバース」「夜行観覧車」) 他  
監督:吉田康弘(「連続ドラマW プラージュ」『かぞくいろ』) 他
特設サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/poison/