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9月8日(土)に開幕する「第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。今年の招待作品部門の目玉は、生誕100年のロバート・アルドリッチ監督特集「女も男もカッコいい!今こそアルドリッチ」です。
アメリカの娯楽映画の巨匠として知られるロバート・アルドリッチは、優秀な助監督として名を馳せ、自身の制作会社を興し、更に、スタジオを経営し、また、アメリカの映画監督協会理事長も務めました。「映画以外何の趣味もない」と自ら語るこの監督の多彩で挑戦に溢れる映画世界をスクリーンで紹介します。男の世界を描くと語られがちなアルドリッチですが、実は女を描く作品も多いことやオープニングシーンの見事さに始まる、ときめく音楽と映像のセンスや繊細かつ気骨ある作風をたっぷり堪能してください。
上映ラインナップ等の詳細は後日発表します。

◎PFFの招待作品部門とは?
映画祭のメインプログラムは、第1回より続く世界でも珍しい自主映画のコンペティション「PFFアワード」ですが、「PFFアワード応募者が刺激を受け、更に面白い映画をつくるために知ってほしい国内外の映画や映画人」を招待作品部門で紹介しています。これまでに、フランソワ・トリュフォー、ルイス・ブニュエル、侯孝賢、マキノ雅弘、ミヒャエル・ハネケ、テオ・アンゲロプロス、ロバート・アルトマン、ダグラス・サーク、クリント・イーストウッド、大島渚、若松孝二、サミュエル・フラーといった監督の特集を企画してきました。

【PFFディレクター荒木啓子によるコメント】
アメリカのメジャー映画を上映することが、こんなに困難な事態になっていることに、愕然としています。
権利がみつからない、上映素材がない、など、など、かつてない体験を重ねつつ、しかし生誕100年を旗印に、アルドリッチ未体験世代にこの名作たちのスクリーン上映を実現したい!と最後の踏ん張り中です。
「映画祭」ならではの映画体験を、ご期待ください。

ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
1918年、アメリカ生まれ。
チャップリンやルノワールの助監督を経て、企画もの『ビッグ・リーガー』(53年)で監督デビュー。『アパッチ』(54年)で注目され、原作の大胆なアレンジが光る『キッスで殺せ』(55年)で衝撃を与える。念願の自身のスタジオを創設しハリウッドの内幕を描いた『悪徳』(55年)と戦争の現実を描く『攻撃』(56年)がヴェネチア国際映画祭で、メロドラマに挑んだ『枯葉』(56年)がベルリン国際映画祭で受賞。その後も気骨ある主人公を斬新な手法で描き『飛べ!フェニックス』(66年)『特攻大作戦』(67年)『女の香り』(67年)『甘い抱擁』(68年)『傷だらけの挽歌』(71年)『北国の帝王』(73年)『ロンゲスト・ヤード』(74年)など展開の読めない、時代を先取りした傑作を多数発表。遺作は闘う女たち『カリフォルニア・ドールズ』(81年)。

◎映画祭「第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」開催概要
【会期】2018年9月8日(土)から22日(土)まで  ※月曜休館
【会場】国立映画アーカイブ(旧・東京国立近代美術館フィルムセンター)
【内容】コンペティション部門「PFFアワード2018」、招待作品部門、ほか映画講座、関連企画等を予定
【公式サイト】https://pff.jp