日中若手映画人合同プロジェクト第一弾『心魔師』が遂に完成!

『ほんとうにあった怖い話 第31夜』『レンコーンの夜』など、ホラーの王道からシュールなコメディまで幅広いジャンルを大胆不敵に横断する若手映画監督・今野恭成。彼と東京藝術大学大学院映像研究科時代の同期で、中国の若きプロデューサー・張丹妮(チョウ・ダンニ)がお互いの夢を遂に実現。 日本映画をこよなく愛する中国の新進気鋭のプロデューサー・劉雨星が長年温めてきた企画を日中の若き映画人が形にした。今回、新人女優・真崎かれんをヒロインに迎えて挑んだのは、オリジナル・サイコサスペンス。本作はオール日本ロケ、仕上げは中国と、国境を飛び越えて製作され、既存の国際共同製作映画の枠を越えた新たなる日中合作映画が誕生。さらにこのプロジェクトのトータルプロデュースは、これまで『Shall we ダンス?』『ウォーターボーイズ』『サバイバルファミリー』など数多くのエンターテインメントメジャー作品を作り続けて来たアルタミラピクチャーズ。 『シンクロナイザー』に続き、インディペンデントの新たな道を開拓しようとの思いで取り組んだ。
血液凝固を止める薬品を注射して失血死させるという猟奇殺人が発生。不眠症の刑事・今村はこの調査のために訪れた精神病院で患者の少女に出会う。怪しげな入院患者や医師、看護師に疑惑の目を向けるが、またも新たな死体が発見される……。
『羊たちの沈黙』『CURE』を彷彿させる不安な映像世界。謎が謎を呼び、観るものは意外な結末へと導きかれ、ラストを知ったら、また最初からもう一度観たくなる誘惑に駆られるはず。迷宮に巻き込まれる主演の今村刑事に生津徹、ヒロインに真崎かれん、その他に柳憂怜、小橋めぐみ、竹中直人などが脇を固める。

ストーリー
犯人を取り逃がしたため謹慎中だった捜査一課の刑事・今村はようやく現場に復帰した。最初の事件は、ワーファリンという血液凝固を止める薬品を注射して失血死させるという猟奇的な殺され方をした殺人事件。被害者の下山宅には睡眠薬があり、「カンガエテハイケナイ」という謎のメモが残されていた。睡眠薬の袋から下山が通院していた谷診療所という精神病院にたどり着き、今村は所長の谷に話を聞く。だが精神科ではワーファリンは処方していないという。怪しいと思った今村はその晩密かに診療所内に忍び込む。
そこで入院患者の一人・夕子と出会う。夕子はそれほど重症とは感じられず、今村は看護師の金井に見つかりそうなところを助けられる。
翌日、下山のアパートを再捜査していると勝手に上がり込む一人の男がいた。その男鶴野を逮捕して尋問するが単なる友人だと主張し証拠不十分で釈放される。今村は再び夕子のもとを訪れ、入院患者の他の5名、重田、七海、鳥越、高川、庄司、の特徴を聞き出した。犯人はこの中にいるのか?所長の谷や看護師の金井も怪しい。そんな時、今度は鶴野が死体で発見される。連続殺人で混乱する警察に七海から1本の電話が入る。
「この病院に殺人鬼がいるんです…」
犯人は一体誰で、その目的は何なのか?今村が一歩謎に近づくとまた新たな犠牲者が発見された…。

キャスト
生津徹  真崎かれん
阿部翔平 陳懿冰(チェン イビン) 伊東由美子
小橋めぐみ 河屋秀俊 今里真 熊谷宜之 花井力
柳憂怜  竹中直人

スタッフ
監督:今野恭成 脚本:後閑広 今野恭成 牛牛 音楽:沈佳女
製作:劉雨星 何博 梁詩雨 プロデューサー:土本貴生 堀川慎太郎 ラインプロデューサー:張丹妮
撮影監督:小川真司 録音:鈴木昭彦 美術・装飾:侯捷
編集:張丹妮 今野恭成 整音:高島知哉 助監督:金田健 製作担当:吉野圭一
製作:索斯光影(北京)影視文化伝媒有限会社 北京隆騰九天文化発展有限会社
ホルゴス索斯斑馬影視文化伝媒有限会社 索斯桜花(北京)影視文化有限会社
製作協力・配給:アルタミラピクチャーズ 配給協力:トラヴィス
<2018年/中国・日本合作/カラー/DCP/5.1ch/アメリカンヴィスタ/95分>

コメント
【今野恭成監督】
思いがけず中国の方々と映画を制作することになりました。日本の片田舎で起こる連続殺人事件を自由にアプローチをさせていただき、感謝しています。小道具の一つ、画の色の一つにいたるまで、二つの文化が溶けあった奇妙な映画を楽しんでもらえればと思います。

【刑事・今村修平役 生津徹】
この作品で、“人”というものの、“心”というものの怖さを、ゾクっとするくらい感じました。やっぱり、どこかで人って人を必ず求めて、それが意識的であれ、無意識であれ、そういう“人と一緒にいる”ってことはすごく大切なことだなって思いました。それは今村にとっては夕子。夕子にとっては今村。それは決して恋人とか家族とかではないけれども、ある人がいることによって、人間は“ああ生きていけるんだな”っていう事を演じながらすごく感じました。

【安藤夕子役 真崎かれん】
私が演じた夕子は病院の中でずっと暮らしています。孤独だろうなと思うけど、それを表面には出さず、会う人たちみんなに嬉しそうな態度で接するところが私は好きです。でもそれが逆に可哀想だなと思ったりもします。私はそんな夕子が悲しいなと思いながら演じましたので、そういったところ観て頂けたらと思います。そしてこの映画はあまり説明的なところが無いので、観た人はそれぞれ違う捉え方をすると思います。なので、観終わった後にみなさんで話してもらい、それぞれの違った感じ方を楽しんでもらえたらと思います。更に二度観るとまた違うと思います。

【刑事・田島勉役 柳憂怜】
この「心魔師」という映画は、中国のプロデューサーが暖めていた企画を日本を舞台にして日本人の若い監督とスタッフやキャストたちとで一緒に作りました。でも、国はどこであろうとも関係無く、いろいろなことにチャレンジし、前に進もうとあがいている、そんな人たちが集まって作った作品です。そんな映画がどんなふうにお客さんの目に届くのか、どんな結果をもたらすのか、どんなふうに広がって行くのかが楽しみです。そしてこの作品をスタート地点として今後スタッフやキャストのみんながどう活躍するか期待したいです。

【精神科医・谷役 阿部翔平】
私は谷という医師がよくわからないまま演じました。谷の人となりがよく見えないというか、現実感が薄い人というか。だからあまり現実的にみえないように演じました。自分ではそのアプローチが良かったのかどうかですら、まだわかっていません。ただただ今野監督の指示のもとこの役を全うしました。観た人から「谷っぽい」「谷っぽくない」と言われたら、どちらも「そうかも」と思うし、良いと思ってくれるのなら「どこが良い?」と逆に聞いてみたいです。出来上がった映画を観ると谷が作品の雰囲気に溶け込んでいて非常に心地よい気持ちになりました。