アップリンク渋谷ではドキュメンタリーの鬼才、原一男特集上映「挑発するアクション・ドキュメンタリー 原一男」を8月4日(土)から8月24日(金)まで開催いたします。昨年アップリンク渋谷で行われた『ゆきゆきて、神軍』公開30年記念上映では全回ソールドアウトを記録し、大きな注目を集めましたが、今年は原一男監督の最新作『ニッポン国VS泉南石綿村』を含むドキュメンタリー作品全5作を一挙特集上映します。しかも『ゆきゆきて神軍』でまさかの絶叫上映や、ここでしか話せない撮影秘話を原監督自身が語るオーディオコメンタリー上映などの企画や、豪華ゲストとのトークショーなどのイベントも連日開催致します。

■『ゆきゆきて神軍』絶叫上映、オーディオコメンタリー上映などの企画や、豪華ゲストとのトークショーなどのイベントも連日開催致します。

期間中はスタンプラリーも実施し、スタンプを集めると、トロピカルなデザインで異彩を放った1987年公開当時の『ゆきゆきて、神軍』復刻ポスター(先着数量限定)をプレゼントします。

≪原一男監督からのメッセージ≫

今年も暑い夏がやってくる!

昨年の『神軍』公開30周年記念上映会は全回ソールドアウトという記録を作った。ならば、今年も、と燃えている。故原田芳雄が言っていた。どんなに古い作品でも初めて観る観客にとっては新作である、と。ま、そんな理屈を言わなくても、私たち疾走プロの作品は今、観ても、決して古びていない、と言い切る自信はある。観てもらいたい層は、やはり若い人たちだ。次の時代を担う若者たちに、私たちのメッセージを伝え、そして若者たちに頑張ってもらわないと、この国は間違いなく滅びる。だから、諦めずに、メッセージを伝えたい、と思う。

「挑発するアクション・ドキュメンタリー 原一男」

期間:2018年8月4日(土)~8月24日(金)

会場:アップリンク渋谷

スケジュールなどの詳細は以下URL

http://www.uplink.co.jp/movie/2018/51672

≪上映作品≫

『さようならCP』(1972年/82分/16ミリ→DCP)

監督・撮影:原一男

製作:小林佐智子/録音:栗林豊彦

CP(脳性麻痺)者の急進的な団体「青い芝」の人々の生活と思想をカメラに収めた、原一男監督の第一作。障害者だからといって自ら片隅でこっそりする生き方は、障害者差別を容認することになると考え、その不自由な体を積極的に人前にさらしていく。「CP(障害者)=健全者という関係の共通項が身体の階級性にあり私自身の〈関係の変革〉というテーマをベースにして、被写体=演じる者を、撮る側にどこまで見ることに耐えられるかを賭けてみたかった」(原一男)

『極私的エロス・恋歌1974』(1974年/98分/16ミリ→DCP(英語字幕入り))

監督・撮影:原一男

製作:小林佐智子/録音:久保田幸雄/編集:鍋島惇/音楽:加藤登紀子

「私にとって映画はコミュニケーションの方法」という原が、かつて一緒に暮らし子どもまでをなした女を追って沖縄へ行き、彼女が自力出産を行なうまでを捉えた作品。「極私」の極致へと到達した未踏のドキュメンタリーとして、原一男の名を一躍知らしめた問題作。「生きることの原点を描ききった」「見る者を強烈にとらえてゆさぶり続ける恐ろしい映画」「真実を見ることの衝撃」などの絶賛を浴び、日本列島のいたる所で若者の強烈な支持を集めた。

『ゆきゆきて、神軍』(1987年/122分/35ミリ→DCP)

監督・撮影:原一男

製作:小林佐智子/録音:栗林豊彦/編集・構成:鍋島惇

87年の日本映画界を震撼させた驚愕の作品。

天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキスト・奥崎謙三に肉薄する。神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、たったひとりの「神軍平等兵」として、”神軍”の旗たなびく車に乗り、今日も日本列島を疾駆する。生き残った元兵士たちの口から戦後36年目にしてはじめて、驚くべき事件の真実と戦争の実態が明かされる・・・。

『全身小説家』(1974年/157分/35ミリ→DCP)

監督・撮影:原一男

製作:小林佐智子/編集:鍋島惇

小説『地の群れ』などで知られる、作家・井上光晴の生を描く長編ドキュメンタリー。約40年にわたって創作=小説と格闘し、92年5月ガンに散ったひとりの小説家の「虚構と真実」が、インタビューを中心とする従来通りの記録映画的な部分と「イメージ篇」と名付けられた一種のドラマを交えて綴られる。5年もの歳月を費やした原一男監督の意欲作で、埴谷雄高、瀬戸内寂聴などの作家が登場するのも興味深い。

『ニッポン国VS泉南石綿村』(2017年/215分/DCP)

監督・撮影:原一男

製作:小林佐智子/編集:秦岳志

明治時代から石綿産業が盛んとなった大阪・泉南地域。アスベストの健康被害を被った石綿工場の元従業員や近隣住民たちが国を相手に国家賠償請求訴訟を起こした、いわゆる「大阪・泉南アスベスト国賠訴訟」。原一男監督のカメラが「市民の会」の調査などに8年間にわたり同行し、裁判闘争や原告たちの人間模様を記録する。釜山国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、山形国際ドキュメンタリー賞で市民賞、東京フィルメックスで観客賞を受賞。

配給:疾走プロダクション

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