魅了された。この興奮を忘れたくない――ジャン・ルノワール監督

100年前の南の島、ある家族の物語
南太平洋サモア。生命を豊かに育む海と、ヤシや緑が生い茂る美しい島。人々は伝統を守りお互いに助け合い生きていた。
楽園のようなこの島に暮らすー家の長男モアナには、ファアンガセという婚約者がいた。タロイモを採り、丸木舟で海に出て魚を採る、のどかな島の暮らし。ただお祝いの儀式だけは特別だ。今日はモアナの結婚式。ほら貝の音とともに太鼓が鳴り響き、村は子どもから大人まで祝祭に満ち溢れている。モアナは、成人男性のしるしであるタトゥーを施し、ファアンガセとともに歓喜の踊りを舞い、盛大な挙式が始まった。

踊りと音楽に溢れた人々の暮らしがそこにあっった
劇場初公開!!
世界映画史上の傑作が、新たに付け加えられた音響とデジタル技術により、瑞々しく蘇る!
『極北のナヌーク』で知られる、ドキュメンタリー映画の始祖ロバート・フラハティがカメラに収めた南の島の暮らし。“ドキュメンタリー”という言葉は、1926年の本作公開時に、新聞の映画評で使われたことが起源とされている。無声だった作品に1980年、娘のモニカ・フラハティ監督が現地の人々による本物の音や会話、民謡を録音し付け加えた。更に2014年に施された最新のデジタル技術により生まれ変わった。『モアナ 南海の歓喜』は圧倒的な映像で生きることの美しさと人間が持っている本来の輝きを見せてくれる。

人間が生きること、生活を送ることがどれほどドラマチックであることか
――ロバート・フラハティ

●ロバート・フラハティ(1883-1972)
ドキュメンタリー映画の父と呼ばれる。
代表作に『極北のナヌーク』(1922)、『モアナ 南海の歓喜』(1926)、『アラン』(1934)、『ルイジアナ物語』(1948)などがある。フラハティの映画手法は、長い時間をかけ、そこに住む人々と生活をして、映画を撮る。まさに共同作業の映画作り。それは映画監督の小川紳介(「三里塚シリーズ」)を筆頭に、フランスのヌーヴェルヴァーグの監督たちなど多くの映画作家に多大な影響を与え続けてきた。

●ロバート・フラハティ監督『モアナ 南海の歓喜』
監督:ロバート・フラハティ
共同監督:フランシス・フラハティ、モニカ・フラハティ
撮影:ロバート・フラハティ、デヴィッド・フラハティ
録音:モニカ・フラハティ、リチャード・リーコック
1926、1980、2014年/アメリカ/モノクロ/スタンダード/モノラル/98分
原題:MOANA with Sound
協賛:福岡アジア文化センター
後援:日本オセアニア学会
配給:グループ現代
宣伝:スリーピン

・『モアナ 南海の歓喜』ホームページ
https://moana-sound.com/

・コピーライト表記
©2014 Bruce Posner-Sami van Ingen. Moana © 1980 Monica Flaherty-Sami van Ingen. Moana © ℗1926 Famous Players-Laski Corp. Renewed 1953 Paramount Pictures Corp.

●9月15日(土)〜岩波ホールにてロードショー

◆『モアナ~南海の歓喜』公開記念    
「公開講座:ロバート・フラハティとドキュメンタリーの変容」
「ドキュメンタリー」を生んだロバート・フラハティから見えてくるものとは何か?
<開催期間> 2018年6月22日~8月25日 5日間、計5回講座 
<開催場所> アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
       (東京都千代田区神田駿河台2-11)
<参加費> 全5回/3500円(事前予約)4000円(当日)
      当日1回/一般1200円、学生・シニア1000円
      アテネ・フランセ文化センター会員 800円
<内容>
各回講師陣が様々な角度から、貴重な参考映像の上映を交えて、テーマを解りやすく解説、最終日(8月25日土曜)には、シンポジウムとともに、「ドキュメンタリー」の名称を考案したジョン・グリアスンとロバート・フラハティの貴重な作品を2本立てで上映いたします。
「公開講座:ロバート・フラハティとドキュメンタリーの変容」詳細はこちらです。
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/fl/flaherty.html