巨匠・今村昌平監督の師として知られ、『幕末太陽傳』『洲崎パラダイス 赤信号』など数々の名作を遺し、日活クラシック映画を代表する監督の1人でもある川島雄三監督が、今年2018年に生誕100周年を迎えました。

つきましては、この100周年を記念し、川島作品の落語イベントなど映画の枠組みを越えた複合的な「川島雄三監督生誕100周年プロジェクト」を開始することを、川島監督の命日である6月11日(月)に発表いたします。

今村昌平監督の師として知られ、「日本映画史上最高傑作のひとつ」と言われる『幕末太陽傳』を監督するなど数々の名作を生み出してきたが、早逝によって人生の幕を閉じた川島雄三監督。その生涯は、日本映画界を越え数々のクリエイターに影響を及ぼし、漫画「栄光なき天才たち」にも取り上げられ、『洲崎パラダイス 赤信号』は本作を愛する細野晴臣により「洲崎パラダイス」として楽曲化もされたほど。大傑作『幕末太陽傳』は川島監督の死後も再上映が繰り返され、舞台化、宝塚によるミュージカル化など、今も確たるファンを築き、時代を越え愛されています。45歳の若さで惜しくもこの世を去った川島監督の命日となる6月11日(月)、日活は川島監督の出身地である青森県むつ市にて行われる墓前祭の開催に合わせ、落語イベント、関連書籍出版など映画の枠組みを越えた新規コンテンツ製作と、既存の川島雄三監督作品の世界配信、再上映といった複合的な「川島雄三監督生誕100周年プロジェクト」の開始を発表した。また墓前祭の後には現むつ市長・宮下宗一郎氏のほか、川島監督ご親族の川島晋一氏、そして川島作品の脚本家および助監督として活躍し、その後日本映画界を代表する巨匠となった今村昌平監督のご子息・天願大介監督も駆け付け、「川島雄三を偲ぶ会」が執り行われた。
また、この度、本プロジェクトを統括する公式ロゴマークも解禁。今後「川島雄三監督生誕100周年プロジェクト」にかかわるコンテンツに印字されていく。

<落語イベント、野外上映、書籍出版、海外映画祭、世界配信…>
「川島雄三監督生誕100周年プロジェクト」企画概要

①落語イベント: お江戸@ハート「幕末太陽傳の巻」実施
柳家喬太郎ほか人気落語家による落語イベント、お江戸@ハート「幕末太陽傳の巻」を実施。

②野外上映会 実施
「東京江戸ウィーク2018」にて川島監督の代表作である『幕末太陽傳 デジタル修復版』を上映。

③書籍出版
女優 若尾文子、山田洋次監督らのインタビューなどが掲載される川島監督の研究本
「川島雄三は二度生まれる(仮)」(水声社)、
「偽善への挑戦・映画監督川島雄三」(ワイズ出版)が刊行予定。

④海外映画祭での上映
『幕末太陽傳 デジタル修復版』の海外映画祭および上映会での上映を実施

⑤世界配信を実施
VODプラットフォーム「MUBI」にて、川島監督作品を全世界の国と地域で配信決定

⑥国内放送実施中
CS放送局「衛星劇場」にて川島監督の全作品を18か月にわたりHD放送

⑦国内配信開始
U-NEXT、iTunes、Amazonビデオ、Google Playほか配信サービスにて配信開始

<川島雄三監督生誕100周年プロジェクト 公式HP>http://www.nikkatsu.com/news/201806/002959.html

※各企画の詳細は下記をご参照ください※

川島雄三監督100周年プロジェクトの始動にあたって
2018年2月、川島雄三監督が生誕100周年を迎えました。

川島監督の代表作であり誰もが認める傑作『幕末太陽傳』。半世紀経ても色褪せないこの至高の傑作を、2012年、日活創立100周年を記念して、最新技術によってデジタル修復を行い銀幕に甦らせました。
その後、2015年には江本純子演出(出演:青木崇高、田畑智子、MEGUMI、小林且弥)により舞台化がされ、そして2017年には宝塚歌劇団・雪組にてミュージカル化され大成功を収めました。

いよいよ2018年、川島監督生誕100周年のこの記念すべきタイミングに、次の100年に向けて、まずは落語へとステージを変えて甦らせ、『幕末太陽傳』と「映画監督 川島雄三」を更に多くの人々に届けていきます。

暗いニュースや気分が良くない情報が簡単に拡散されていってしまうこの現代に、「地獄も極楽もあるもんけぇ、俺はまだまだ生きるんでイ」と、颯爽と時代を駆け抜ける軽やかさと力強さを佐平次を通して見つめてもらうきっかけにしてもらいたいと思います。

川島雄三プロフィール
巨匠・今村昌平を育て上げ、51本の映画を生み出した夭逝の天才

1918年(大正7年)2月14日、青森県むつ市に生まれる。明治大学文芸科へ進み、映画研究部所属。
1938年、松竹大船撮影所助監督採用試験に合格。1943年、監督となり喜劇や風俗映画を多数製作。
助監督だった今村昌平を育て、フランキー堺と名タッグを組んで『幕末太陽傳』など傑作を連発し、芦川いづみの才能を見出しデビューを助けた。松竹、日活、東宝、角川と映画会社を渡り歩き、数々の名作を日本映画界に残し、1963年6月に若くしてこの世を去る。享年45歳。

幕末太陽傳
「オールタイム・ベスト 映画遺産200 日本映画篇」 第4位!
落語をモチーフにした、痛快エンターテイメント時代劇時は、幕末、文久2(1862)年。東海道品川宿の相模屋という遊郭へわらじを脱いだ佐平次
(フランキー堺)は、勘定を気にする仲間を尻目に、呑めや歌えの大尽騒ぎを始める。
しかしこの男、なんと懐には、一銭も持ち合わせていなかった…。
居残りと称して、相模屋に居ついてしまった佐平次は、持ち前の機転で遊女や客たちのトラブルを
次々と解決していく。遊郭に出入りする攘夷派の高杉晋作(石原裕次郎)らとも交友を紡ぎ、
乱世を軽やかに渡り歩くのだった。
出演:フランキー堺 南田洋子 左幸子 石原裕次郎 芦川いづみ

監督:川島雄三 脚本:川島雄三 田中啓一 今村昌平
撮影:高村倉太郎 照明:大西美津男 美術:中村公彦 千葉一彦 録音:橋本文雄
音楽:黛敏郎 編集:中村正 助監督:今村昌平