本作は、あの名作『スタンド・バイ・ミー』(86)のロブ・ライナー監督が1984年に手がけた初監督作であり、モキュメンタリーというジャンルにおいては『食人族』(80)と共に草分け的存在として知られ、ロック映画というくくりにおいては映画史上に残る金字塔的作品。あのスティングが50回鑑賞し、「リアル過ぎて泣いていいのか笑っていいのかわからなかった」と絶賛(!?)された本作。長年本作のファンであったという大槻ケンヂ、伊藤政則ROLLYを初め日本を代表するロッカー達や、人気ヘヴィメタルバンドLOUDNESSの二井原実など錚々たるメンバーからコメントが届いた。そして、なんと!本作でバンドのメンバー達がホテルのロビーで出くわすロック・スター“デューク・フェイム”を演じたPaul Shortinoからもコメントが届いた。

「カルト・ムービー・トップ50」(エンターテインメント・ウィークリー誌03年発表)、「歴代ロック映画トップ10」(Mojo誌05年発表)、「ロックンロール映画オールタイムベスト100」(BLENDER誌05年発表)で第1位を飾りながらも、日本ではなぜか今まで劇場未公開だった本作。もともと16ミリフィルムで撮影されており、ビデオやDVDで楽しんでいたファンが多いはずだが、この度の上映では字幕を改正したリマスター版での上映!新たに生まれ変わり、再起をかけた『スパイナル・タップ』の変化に期待して欲しい本作は、6月16日より新宿武蔵野館にて日本劇場初公開致します。

<以下推奨コメント>

大槻ケンヂ(ミュージシャン)
バンドマンとしてこれほど身につまされて爆笑させられて泣かされるロックバンドあるある映画   
は他に無いです。ドキュメント風フィクション映画としても超一級品の大名作。

マーティ・フリードマン(ギタリスト)
​『スパイナル・タップ』はアメリカのロックミュージシャンの聖書のような存在感です。知らないロッカーは1人もいません。
最初から最後まで、ロックミュージシャンの”あるある”シチュエーションとハプニングが続きます。
でも一番感動的で不思議な事は、この映画はロック/メタルブームになる前に作ったということ。
将来の予言オンパレード。昔作られた映画なのに、今でもロックの世界のことを正確に示しています。
ロック映画の中でも、この映画の影響はダントツに大きいです。メタリカの革命的な「ブラック・アルバム」はまさに「スパイナル・タップ」からの影響です。洋楽界の常識を覗きたいなら、『スパイナル・タップ』はマストです!

伊藤政則(音楽評論家 / MASA ITO)
女王陛下も爆笑(したかもしれない)面白さ。
大英帝国の誇りを感じさせる、ブラックなセンス・オブ・ユーモアの切れ味は、あのモンティ・パイソンも裸足で逃げ出した。
しかし、底知れぬメタル愛に満ちた作品でもある。

ROLLY(ミュージシャン)
泣いて笑って喧嘩して!
以降の、ありとあらゆるロック映画に多大なる影響を与えた偉大なる元祖天才バカボンだ!
ロックンロール!!!!

二井原 実 (LOUDNESS)
確か”SPINAL TAP”を始めて観たのは85年の全米ツアー中、ツアーバスの中だったと思う。
映画に出てくる数々の爆笑エピソードがプロのロックバンドマンにとってはあまり笑えなかったりする。
何故なら、ロックバンドマンならあのエピソードに近いことを数々経験しているはず・・・だからだ。
楽屋からステージにたどり着かなかったり、ステージ上での間抜けなトラブル、飛行場でのトラブル…etc,我々も数々経験している。
コメディー映画ではあるのだが、ちょっと泣けるのは、ロックバンドマンのペーソスを端々に感じ、何かしら”SPINAL TAP”にシンパシーを感じるからだろう。

字幕のテンポが良く、スラングやギャグも上手に翻訳されていて違和感が無い。
特にロック業界関係者は爆笑必至!
ロックファン必見のロッカメンタリー映画だ!

Paul Shortino (Rough Cutt, Paul Shortino)←本作にも登場しています!
Hi this is Paul Shortino!
From Rough Cutt, Quiet Riot & Duke Fame of This is Spinal Tap.
I’ve been waiting in the lobby for the limo for 30 years now for Spinal Tap to make into theaters in Japan! That day
has come and my Limo has arrived!  
Off to the Normo dome! Big Love 😎🎤✌

ハイ!俺はポール・ショーティノ。
ラフ・カットから、スパイナル・タップのデューク・フェイムとして登場した。
俺は、『スパイナル・タップ』が日本で劇場公開されるのをホテルのロビーでリムジンを待つ様に30年間ずっと待ってたんだ!
その日がやっと来た。(映画の中に出てきた)エノルモドームから出発するぞ!ビックラブ♡

岡峰光舟 (THE BACK HORN)
この映画を最初に観たのは10数年前。
当時20代の私は、「バカなおっさんメタルバンドマンだなぁ〜」なんて呑気に笑ってましたが、気付けば我々THE BACK HORNは結成20周年。
劇中のスパイナル・タップより長くバンドをやってました(照焦)。
久々に観返してみると、昔より更にクスクスくるし、下手したら胸に響くシーンまであるのには自分の時の流れを感じましたが映画自体の時代を選ばないクオリティに感服した次第です。
P.S. 恵比寿のライブハウス、リキッドルームの楽屋からステージに向かう複雑な導線を通る度にこの映画を思い出しています。