瀬々敬久監督の三十年越しの企画として、ついに完成した『菊とギロチン』。舞台は大正末期、関東大震災直後の日本。混沌とした情勢の中、急速に不寛容な社会へとむかう時代。かつて日本全国で「女相撲」が興行されていた史実に基づき、女相撲の一座と実在したアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちが出会うオリジナルストーリーだ。マスコミ試写を重ねるごとに「傑作!」と評価を高めている本作の貴重なメイキング写真が解禁された。

映画本編では全身全霊の熱気あふれる演技を見せる俳優たちだが、今回解禁されたメイキング写真には、真剣な表情だけでなく思わず心が和む開放的な笑顔も。主役の女力士・花菊役の木竜麻生の初主演の重責に不安げな表情と女の子らしい素の笑顔、過去のある女力士・十勝川役の韓英恵も最高に嬉しそうな笑顔。

対してアナキスト・グループ、ギロチン社のリーダーで詩人でもある中濱鐵を演じる東出昌大は気迫溢れる表情で現場を引っ張っているのがわかる。同じくアナキスト役の寛 一 郎は初めての映画の現場に緊張した表情を浮かべ、一方では爽やかさ満点の笑みも見せる。「自由に生きたい!」という若者たちの思いがみなぎる本作にふさわしくメイキング写真にも熱っぽさと現場を思い切り楽しむ自由な開放感が伝わってくる。こんなにいい表情が見られる現場から生まれた本編は絶対に面白い!貴重なメイキング写真を、どうぞご覧ください。

<物語>

大正末期、関東大震災直後の日本には、不穏な空気が漂っていた。軍部が権力を強めるなか、これまでの自由で華やかな雰囲気は徐々に失われ、人々は貧困と出口の見えない閉塞感にあえいでいた。

ある日、東京近郊に女相撲一座「玉岩興行」がやって来る。力自慢の女力士たちの他にも、元遊女の十勝川(韓英恵)や、家出娘など、ワケあり娘ばかりが集まった、この一座には、新人力士の花菊(木竜麻生)の姿もあった。彼女は貧しい農家の嫁であったが、夫の暴力に耐えかねて家出し、女相撲に加わっていたのだ。

「強くなりたい。自分の力で生きてみたい」と願う花菊は、周囲の人々から奇異の目で見られながらも、厳しい練習を重ねていく。いよいよ興行の日。会場には、妙な若者たちの顔ぶれがあった。彼らは「格差のない平等な社会」を標榜するアナキスト・グループ「ギロチン社」の面々で、アナキズム運動を牽引した思想家の大杉栄が殺されたことに憤慨し、復讐を画策すべく、この土地に流れ着いていた。「ギロチン社」中心メンバーの中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛 一 郎)は、女力士たちの戦いぶりに魅せられて、彼女たちと行動を共にするようになる。

「差別のない世界で自由に生きたい」――その純粋な願いは、性別や年齢を越えて、彼らを強く結びつけていく。次第に中濱と十勝川、古田と花菊は惹かれあっていくが、厳しい現実が容赦なく彼らの前に立ちはだかる。

監督:瀬々敬久 脚本:相澤虎之助・瀬々敬久

出演:木竜麻生、東出昌大、寛 一 郎、韓英恵、渋川清彦、山中崇、井浦新、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、山田真歩、嶋田久作、菅田俊、宇野祥平、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太 ナレーション:永瀬正敏

2018年/日本/189分/カラー/シネスコ/DCP/R15+/配給:トランスフォーマー

©2018 「菊とギロチン」合同製作舎 公式サイト:http://kiku-guillo.com/

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