2018 年 10 月 25 日(木)~11 月 3 日(土・祝)に開催致します、第31回東京国際映画祭は「映画の未来の開拓」を重要なコンセプトの一つとして掲げています。昨年に引き続き、映画を「見る人、作る人を育てる」ことを目的としたユース部門の特別企画として、全国各地でこどもたちを対象に映画鑑賞・制作ワークショップを開催してきた「こども映画教室」と共に、中学生向けの映画制作ワークショップ「TIFFティーンズ映画教室2018」を夏休み期間中に実施することが決定いたしました。特別講師として昨年のコンペティション部門において『勝手にふるえてろ』で観客賞を受賞した大九明子監督を迎え、東京国際映画祭のメイン会場である六本木ヒルズを拠点として、プロの映画監督やスタッフとともに本格的な映画づくりに挑戦し、完成した作品は今年度の東京国際映画祭にてワールドプレミア上映いたします!

◆特別講師プロフィール◆
大久明子(おおく・あきこ)監督

1968年横浜生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、
プロダクション人力舎スクールJCAの第1期生となり芸人を
志したのち、1997年、映画美学校の第1期生となる。
監督・脚本作品『意外と死なない』(1999)でデビュー。
以降、『恋するマドリ』、『東京無印女子物語』、『ただいま、ジャクリーン』、『モンスター』、『放課後ロスト/倍音』、『でーれーガールズ』、『渚の恋人たち』など。『勝手にふるえてろ』では、第30回東京国際映画祭コンペティション部門観客賞、第27回日本映画プロフェッショナル大賞作品賞を受賞。最新作『美人が婚活してみたら』は2019年春公開予定。

◆中学生と映画をつくるということ◆
「映画には、正解はありません。チームのみんなが最善と納得した納得解があるだけです。このとき、①大人が手出し口出ししない、ことで、こどもたちが否応なしに自ら考え、コミュニケーションをとり、決定していきます。そして、②本物の映画人に出会う、ことで、‟映画観”を体感していきます。講師やスタッフは中学生たちを見守り、応援し、認めていきます。このことは彼ら彼女らにとって大きな自信となるでしょう。中学生という、人生においてもっとも多感で、もっとも生きづらさを感じる年代と活動する意味は、自意識の塊であり、思春期真っ盛りの中学生たちにとって、この、人とかかわらずには完成させられず、また、自分と向き合わずにはいられなくなる映画づくりという体験がかならずや大きな成長をもたらすだろうと思うからです。
この活動は、映画づくりというキャリア教育でもあり、また、コミュニケーション能力を培うものでもあり、なにより人間教育としてこどもたちの大きな成長の機会となるでしょう。」(こども映画教室代表 土肥悦子)