昨年2017年山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞(最高賞)に輝いた『祝福~オラとニコデムの家~』の初日が6月23日(土)に決定しました。

昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でアカデミー賞ドキュメンタリー賞ノミネート『私はあなたの二グロではない』や日本の原一男監督の話題作『ニッポン国VS泉南石綿村』をおさえ、見事に大賞を受賞。ヨーロッパで最も権威ある賞の一つであるヨーロッパ映画賞でも最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど多数の賞に輝き、昨年度の世界のドキュメンタリーのベストの1本と高く評価されている『祝福~オラとニコデムの家~』。

舞台はポーランドのワルシャワ郊外の街。主人公は、酒で問題を抱える父親と自閉症の13歳の弟ニコデムと暮らす14歳の少女オラ。母は家を出て行ってしまい、家事をこなし、弟の面倒を見るのはもっぱらオラの役目。現実は厳しいが、弟の初聖体式(カトリック教会で、洗礼後に初めて聖体をいただく式)が成功すれば、もう一度家族がひとつになれると信じるオラの日々を描いている。

監督  アンナ・ザメツカ  anna zamecka
ポーランドの映画監督、脚本家、プロデューサー。

ワルシャワとコペンハーゲンでジャーナリズム、人類学、写真学を学んだ。ワイダ・スクールでDok Proドキュメンタリープログラムを修了。本作が長編デビュー作となる。

―14歳の少女とその弟。

彼女たちは大人に守られずに生きる現代の「ヘンゼルとグレーテル」―

(14歳の少女 オラは)私自身がかつてそうだったように、大人の責任を負っています。オラの家族では役割が逆さまです。彼女が、両親と彼女の障がいのある弟の世話をしています。このような「大人の子どもたち(アダルト・チャイルド)」はポーランドだけのことではありません。私は幼い頃、おとぎ話を読むのが好きで、「ヘンゼルとグレーテル」はお気に入りの物語でした映画『祝福〜オラとニコデムの家〜』は、親が自分の役割を果たせない世界の森で、彼らの道を探すヘンゼルとグレーテルの、非モノクロームで描かれたリアリスティックな物語なのです。

*アンナ・ザメツカ監督6/6(水)~8(金)来日決定!

原題:Komunia|英語題:Communion|監督&脚本:アンナ・ザメツカ
2016|ポーランド|DCP|カラー|5.1ch|75分|配給:ムヴィオラ 
©HBO Europe s.r.o.,Wajda Studio Sp. zo.o.Otter Films Wazelkie prawa zastrzeżone,2016

6月23日(土)ユーロスペースほか全国順次公開