この度、『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の ポール・トーマス・アンダーソン監督が名優ダニエル・デイ=ルイスと二度目のタッグを組ん だ最新作『ファントム・スレッド』が 5/26(土)より全国公開いたします。本年度アカデミー 賞®の主要賞含む6部門にノミネートされ、見事衣装デザイン賞を受賞し、「今年、最も予想外な展開のラブストーリー!」(ヴァニティ・フェア)と、世界中を驚かせ虜にした。
本作で 引退を表明するダニエル・デイ=ルイスに全く引けをとらない存在感で我々を驚かせたのが、ヒロインのアルマを演じたヴィッキー・クリープス。マスコミ試写でも「あの女優は誰!?」 「あの憑依型なダニエルでも見劣りしない、迫真の演技だった!」という声があがっている。
監督の新たなミューズに選ばれた、そのキャスティング秘話に迫った。

ヒロインに抜擢されたヴィッキー・クリープスとは

1983年10月4日生まれ、ルクセンブルク出身。 スイスのチューリッヒ芸術大学在学中から演劇活動を行う。短編“La Nuit Passée”(08/アイリーン・バーン監督)で国際的な注目を浴び、ブダペスト短編映画祭最優秀新人賞を受賞。その後、フランス語圏やドイツ語圏の映画出演を経て、『ハンナ』(11/ジョー・ライト監督)、『もうひとりのシェイクスピア』(11/ローランド・エメリッヒ監督)などの英語作品でも活躍するようになる。他の主な出演作に 「誰でもない女」(12/ゲオルク・マー ス監督)、「殺意は薔薇の香り」(13/フィ リップ・クローデル監督)、『誰よりも狙われた男』(13/アントン・コ ービン監督)、『コロニア』(15/フロリアン・ガレンベルガー監督)、『マルクス・エンゲルス』(17/ラウル・ペック監督)などがある。2012年、ルクセンブルクで最も有望な新人に
送られる賞“Prix du Jeune Espoir”を受賞。 ドイツ語、フランス語、英語、ルクセンブルク語の4カ国語を操る。

女優 ヴィッキー・クリープス キャスティング秘話

ヴィッキー・クリープス演じるアルマは、ダニエル・デイ=ルイス演じる天才的仕立て屋に見いだされ、田舎のレストランを飛び出して、華やかなド レスを纏う社交界へと転身する。まさに『マイ・フェア・レディ』や『プリティウーマン』を想起するようなシンデレラストーリーな展開だ。
劇中では瞬く間に垢抜けていく過程と、何者にも支配されない意志の強さを時に大胆に時に繊細に体現し、デイ=ルイスにも一歩も引けを取らない存在感を放っている。これまでヒロイン役にはあまり恵まれなかったルクセンブルク出身のヴィッキーが、本作によって一躍国際的スターに踊り出したきっかけとなったのは過言ではない。

<ヴィッキー・クリープス コメント>

オーディションの際、今作がポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作だとは知らなかったというヴィッキー。
「オーディション用のメールを ちゃんと読んでいなかったの。共感の持てる内容で、すぐに気に入ったから、すぐにオーディション用のテープを撮影して送ったのよ。その後、エージェントが『監督がオーディション用のテープを気に入っているみたいだから、あなたの電話番号を教えていい?』と聞いてきたの。私は気軽に『良いかもね』なんて答えたら、エージェントは『監督が誰なのかわかっているの?』と驚いて聞いてきたの!私は、ちゃんとした脚本もなかったから、学生映画の短編くらいに思っていたのよ。まさかポール・トーマス・アンダーソンだったなんて、本当に驚いたわ!」撮影では、デイ=ルイスの希望もあり、リハーサルは一切なしで現場入りをしたそう。「私の戦略は、完全に役になりきるために、デイ=ルイ スの前でも興奮しないよう努めたわ。私は完全な白紙になったわ。可能な限り自分を空っぽにしたのよ。」


<ポール・トーマス・アンダーソン監督コメント>

オーディション映像を見て、すぐさま監督はヴィッキーに光るものを感じた。オーディション映像に映るヴィッキーを見て、彼女はウェイトレスにも、 レイノルズのドレスを着こなすミューズにもなれると確信したんだ。アルマの態度とエッジの効いた性格、あれは演技ではない。ヴィッキーはど んな状況でも自分の信念を貫き通すことを恐れないんだ。彼女は爆竹のようで、レイノルズを破壊していく様は本当に最高のドラマ だよ!レイノルズのような人間が、同じように独特な性格を持つアルマのような人間によって試され、自分の特性を組み伏せなければならなくなったらどうなるのか、ということにとても興味を持っていたんだ。言わせてもらうと、彼女は演技をしていません。(笑)い や、もちろん彼女は素晴らしい女優なので演技はしていますが、あの意志の強さとパワーは、ヴィッキー本人を思い出させます。彼 女は、完全に何もないところからそれを出して来たわけではなく、ただ無防備だったんです。彼女がおじけづいたところを僕は見てい ませんし、感じもしませんでしたが、どちらかというと、ダニエルからは、彼自身が及び腰になっていたと聞いたよ!

名優ダニエル・デイ=ルイスさえも及び腰になったという熱演を、ぜひ劇場で確かめてほしい!

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