昨年公開された監督作『健さん』でモントリオール世界映画祭最優秀賞受賞、日本映画批評家大賞を受賞し、自身の作品がアメリカ サンタ・バーバラ美術館に所蔵されるなど写真家としても活躍する日比遊一監督が、1987年以来、30年間活動のベースとするアメリカを舞台にした初の劇映画『ブルー・バタフライ』が12月2日(土)に日本公開することが決定!
この度、社会の底辺で苦しむ主人公たちの混沌さを感じさせるモノクロとカラーの映像も印象的な、衝撃の日本版予告編が解禁となりました!

この映画には、次の作品を観たいと思わせる何かがある - 樹木希林

義父から性的暴行を受けて育ったヤズは、本来の柔和な性格が一変し、心やさしい義兄のマニーを利用しながら酒やドラッグに身を任せる荒んだ生活を送っていた。マニーはヤズを守るために犯した罪で仮釈放の身だが、ヤズへの “特別な想い” を隠しながら、困ったときに頼ってくる義妹をなんとか支えようとする。
一方、マニーの保護観察官ブレナーは、自分のせいで死んだ実の息子にマニーを重ね、マニーからヤズをひき離すことで彼を立ち直らせようとする。しかしヤズの荒れ狂った行動はさらにエスカレートしていく…。

本作は、自らも俳優になる夢だけを携えてアメリカに渡り、その後、デニス・ホッパーやロバート・フランクに写真を認められ、N.Yを拠点に写真家としても活躍する日比遊一監督が実話に着想を得て、社会の底辺でもがき苦しむ主人公たちを通しアメリカの現実を描き出した衝撃作だ。
主人公ヤズを演じたのは、Huluの人気シリーズ「East Los High」出演で知られ、自らもニューヨークで生まれ育ったトレイシー・ペレス。役作りのために3か月で20キロも体重を落として撮影に臨んだという。
さらにデビット・フィンチャーなど、多くの監督から信頼を寄せられ、アメリカ二大映画雑誌の一つ『VARIETY』で「注目すべき10人のDP(撮影監督)」として紹介されたヤス谷田による映像美、映画『美しい星』(吉田大八監督)の映画音楽ほか様々な分野で活躍する渡邊琢磨が手掛ける音楽にも注目だ。 

そして今回、解禁となった日本版予告編映像からは、主人公ヤズの荒れた生活と、なんとか義妹を支えようとする義兄マニーの苦悩、そしてヤズが孤独を埋めるように女性との恋愛に救いを求める様子が。モノクロとカラーの映像も印象的で、主人公たちのヒリヒリとした感情が観る者の心をも揺さぶるだろう。
女優・樹木希林さんが「74歳の婆さんに作品の評価はむずかしい。ただ、次の作品を観たいと思わせる何かがある。遊一なんだから作品の中で遊んでほしい。そして客の心を遊ばせてほしい」とコメントする日比遊一監督ならではの人間ドラマと映像世界をぜひ劇場で確かめてほしい。

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