神奈川県立城ヶ島公園で 2017年 9月30日(土)に初開催される、入場無料の野外映画祭『星降る町の映画祭with CINEMA CARAVAN』にて上映される 3 作品、『大津 city 今恋心』、『巣鴨救急 2030』、『浅草スマイル』の予告篇を、9 月 15 日(金)より特設サイトにて公開いたします。

『星降る町の映画祭 with CINEMA CARAVAN』は、三浦半島の最南端、城ヶ島に位置する会場において、目の前一面に広がる太平洋をバックに、これからの日本映画をつくる若手監督たちにより制作された映画を上映する映画祭となっています。
今回、処女作『卒業』で IFF2010 優秀賞・観客賞を受賞し、世界12 カ国で配給された『わたしたちに許された特別な時間の終わり』の“太田信吾 監督”の作品『大津 city 今恋心』 をはじめとした、3 作品が上映されます。
【星降る町の映画祭 with CINEMA CARAVAN 特設サイト】
https://star-cinema-festival.com/
【大津 city 今恋心 予告篇 URL/太田信吾 監督作品】
https://vimeo.com/232812425
【巣鴨救急 2030 予告篇 URL/高島優毅 監督】
https://vimeo.com/232812706
【浅草スマイル 予告篇 URL/林隆行 監督】
https://vimeo.com/232810627

■上映される 3 作品の詳細について
●本物のロックンローラーの生き方『大津 city 今恋心』
1970 年代後半、関西を中心に熱狂的な人気を博したあるバンドがいた。その名は「誰がカバやねんロックンロールショー」。しかし、人気の絶頂期にバンドは解散。ボーカルのダンシング義隆(63)は他のバンドメンバーから絶縁関係に置かれ、生活保護を受給しながらロックを続け、暮らしていた。
そんな時、義隆の叔父、河合正雄(77)から義隆のもとに連絡が入る。叔父の正雄は義隆たちのバンドの再結成を熱望していたのだ。正雄と共に、和解を求めて、かつてのメンバーを訪問する義隆。果たして、正雄の願いは叶うのか?
監督は太田信吾。処女作『卒業』が IFF2010 優秀賞・観客賞を受賞し、『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が世界 12 カ国で配給されています。
出演:ダンシング義隆・河合正雄・松浦円一郎・Don メグ ほか

●少子高齢化が進行した日本は、どうなる?『巣鴨救急 2030』
西暦2030年、超高齢化社会となった日本において唯一、巣鴨だけが経済成長を続けていた。そんな中、巣鴨を訪れていた2人の若者(鈴木裕樹・高松信太郎)が、ひょんなことから重傷を負ってしまう。
すぐに 119 番で救急車を呼ぶ2人だったが、巣鴨消防署の対応は、なぜか『音声ガイダンス』だった…。一刻も早く救急車を呼ぶため、2人は複雑なガイダンスとの対決を余儀なくされる。音声ガイダンスの裏にある、巣鴨の闇とは!? そして、音声ガイダンスの果てに待っているものとは!?
ドラマ「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日)、「相棒 Season13」(同)等刑事ドラマで活躍の他、ドラマ「家売るオンナ」(日本テレビ)、今年秋公開予定の映画「ハピネス」(SABU 監督)、10 月・11 月上演の舞台「関数ドミノ」(作:前川知大・演出:寺十吾)など、気鋭の演出家、作家の作品に意欲的に出演している鈴木裕樹と、お笑いコンビ『火災報知器』のボケ担当であり、ヤンキーキャラ、田舎のおじさん等様々なコントキャラを多彩に演じる高松信太郎が、近未来の「巣鴨」で繰り広げるちょっとシュールなノンストップコメディー。テレビのバラエティ番組スタッフ出身の高島優毅が監督を務めています。
出演:鈴木裕樹、高松信太郎 ほか

●お笑い芸人の夢と絶望と勇気のドラマ『浅草スマイル』
売れない夫婦漫才師・浅草スマイルのボケ担当・すみれ(川村紗也)が、交通事故で記憶障害に。相方である夫・マルオ(篠原篤)は、漫才のネタすらも忘れてしまったすみれと、もう一度舞台に立つことを決意。
そこから一気にスターダムにのし上がり、鳴かず飛ばずだった日々が輝き出すのだが……。芸人としての死を恐れた先の決断に翻弄される、夫婦漫才師の儚く淡い物語。
『第 1 回未完成映画予告編大賞』の「堤幸彦賞」受賞作品。 夫・マルオを演じるのは、『恋人たち』(15)で第 39 回日本アカデミー賞 新人俳優賞ほか数多くの賞に輝いた篠原篤。妻・すみれを演じるのは、劇団ユニット「僕たちが好きだった川村紗也」(14) を立ち上げ、自らプロデュース公演を行い、幅広く活躍する川村紗也。監督の林隆行は、CM 業界からキャリアを積み、ドラマの助監督を経た映像ディレクター。 感情を揺さぶる演出と一癖ある映像表現が持ち味。
出演:篠原篤、川村紗也、森優作 ほか

■太田監督インタビュー 「消えゆくものたちに光を。それが映画の使命だ。」

誰も考えないこと、直視しようとしないこと、それらをちゃんと提示したいと思います。新しい価値観やタブーとされていることはじつは映像だからこそ、伝えやすいのではないでしょうか。だから僕は、新しい価値観や言い出しにくいことをテーマにして意識しています。
僕が学んだ哲学のなかに『物語論』というのがあって。国家や集団が主語になり語られる(大きな)物語は、常に顕在化しない物語を同時に生み出す宿命にあります。そのような零れ落ちてしまった、そのままにしておいたら忘却されてしまうかもしれない、そんな物語を想像力や取材、あらゆる手段を駆使して掬い取りたいと思うんです。
―太田監督は、前作『解放区』の撮影中に、今回の主人公である“ダンシング義隆”さんに出会った。
偶然、彼がライブをしていた場所にいたのですが、演奏や歌詞がものすごく印象的で。等身大にこの社会と向きあって紡ぎ出された歌詞や曲に強烈な説得力がありました。人間ですから、だらしない部分や失敗は誰にでもあります。でも、たいていの人はそれらを隠して美談を語る人が多いと思います。でも、義隆さんは違う。オープンに丸裸で生きて音楽を続けていることも、彼に惹かれた理由です。彼こそ、本物のロックンローラーだと感じました。
―太田監督は、その後、彼の人生を知るにつれ、彼の家族の生い立ちや故郷である大津の歴史を紐解いていく。
大津には、かつて米軍キャンプがあり、義隆さんたち兄弟がロックに傾倒していく流れに少なからず影響を与えたことを知るに至ったという。
この視点は今、絶対に残さなくてはと、直感的に感じたんです。純粋な芸術であるはずの音楽が、いつの間にか権威や消費社会と結びつき、経済の仕組みのなかで存在している。おかしいと思いませんか?社会と向き合うからこそ生まれる音楽があります。そして本来音楽とは、誰にも開かれたものではないでしょうか。僕には、それを伝える使命があると思っているんです。

■開催日時:2017 年 9 月 30 日(土) 11:00〜21:00(上映終了予定)
※雨天決行(荒天の場合は中止)
■会場:神奈川県立城ヶ島公園
■入場料:無料
■上映作品:「巣鴨救急 2030」「浅草スマイル」「大津 city 今恋心」
■主催:星降る町の映画祭 with CINEMA CARAVAN 実行委員会
■協力:京浜急行株式会社、京浜急行バス株式会社
■後援:神奈川県、三浦市、三浦市観光協会、城ケ島観光協会、城ケ島区、城ヶ島漁業協同組合
■星降る町の映画祭 with CINEMA CARAVAN 特設サイト: www.star-cinema-festival.com