10月7日(土)~10月27日(金)新宿・K’s cinema にてヴェルナー・ヘルツォーク監督の75歳を記念して10作品を上映する『ヴェルナー・ヘルツォーク特集2017 <誕生!ヘルツォーク>』を開催することとなりました。

92年のドキュメンタリー作品『問いかける焦土』を劇場初公開致します。

(C)Werner Herzog Film

●『問いかける焦土』
メルボルン国際映画祭1993グランプリ
原題:Lektionen in Finsternis
1992年/仏・英・独/カラー/デジタル/54分

解 説
『問いかける焦土』は、湾岸戦争(1991年)によりクェートで発生した大規模な油田火災の消火活動を中心としたドキュメンタリーである。燃え続ける火炎に果敢に挑む作業員たち、残虐行為を眼前にして言葉を失った女性や幼子、破壊された国土。悲惨な戦争の跡が至るところに残り、石油が水のように流れていく。ヘルツォーク監督はこの光景を、自身による僅かのナレーションと、ワーグナーやマーラーなどのクラシック音楽を背景に、<黙示録>のような13章の作品にまとめ上げた。

完成直後の1993年2月のベルリン国際映画祭で上映された当時、賛否両論が巻き起こったそうだが、同年のトロント国際映画祭を皮切りに、映画祭上映やTV放映などが20年以上も続いている。日本ではNHKで1992年に短縮版が放送され、完全版は、2000年にドイツ文化センターにて開催された<ヘルツォーク特集>のプログラムとして、一回上映されているだけで、今回が完全版による劇場初公開となる。

海 外 評
ヘルツォーク監督による到達地点。この世の終わりに関する架空の世界を描いている
――J・ホバーマン「ニューヨーク・タイムズ」紙(2005年5月8日)

今年最も記憶に残るドキュメンタリー。ヘルツォーク監督による黙示録であり、湾岸戦争に対する究極のアイロニーである
――ロバート・ケーラー「ロサンゼルス・タイムズ」紙(1993年1月2日)

感動的なまでの抽象化は天賦の才のなせる業だ。荒れ狂う自然界の映像を巧みに用い、人を覚醒させ、不快なまでに美しい作品を生み出した
――ジャネット・マスリン「ニューヨーク・タイムズ」紙(1995年10月25日)
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●上映作品

「小人の饗宴」「アギーレ/神の怒り」「カスパー・ハウザーの謎」「ヴォイチェック」「シュトロツェクの不思議な旅」「ノスフェラトゥ」「フィツカラルド」
「コブラ・ヴェルデ 緑の蛇」「問いかける焦土」「キンスキー、我が最愛の敵」

(C)Werner Herzog Film
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●ヴェルナー・ヘルツォーク特集2017 <誕生!ヘルツォーク>
10月7日(土)~10月27日(金)K’s cinema にて開催

配給:パンドラ

・『ヴェルナー・ヘルツォーク特集2017 <誕生!ヘルツォーク>』ホームページ
http://www.pan-dora.co.jp/wordpress/?cat=4