10/6(金)まで新宿K’s cinemaで公開されている問題作「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」が、11月2日から5日まで開催されるインドのダラムサラ国際映画祭へ正式出品されることが決まった。

本作は、南カリフォルニア大学を卒業した新進気鋭の佐藤慶紀監督が、10年程前、加害者の死刑を止めようとする被害者遺族がいることを知り、復讐心も湧いてくるであろう中、そのような決断をした理由を深く考えたいと思い、制作した。

本作がフランスの第23回ヴズール国際アジア映画祭で上映された際には、死刑囚のお母さん役の箱木宏美さんがスペシャルメンションを受賞している。

北インドのヒマラヤの山麓の丘にあるダラムサラは、ダライ・ラマが亡命した場所で、チベット亡命政府の本拠地。今年は日印友好交流年という日印文化協定発効60周年を記念する年であり、佐藤慶紀監督は、10月末にインド入りし、10月31日の、国際交流基金ニューデリー日本文化センター主催のデリーでの『HER MOTHER』の上映会でも舞台挨拶を行う。

本作は、先週末から10/6(金)まで新宿K’s cinemaで公開中で、名古屋シネマスコーレでは9/23(土)〜、大阪・シネヌーヴォでは10/7(土)〜と、全国順次公開が決定。

新宿K’s cinemaでの9/17(日)10:30〜の回上映後には、佐藤慶紀監督と『FAKE』(2016年)の森達也さん(映画監督)がトークイベントを行う。

<ダラムサラ国際映画祭のキュレーターのコメント>

『HER MOTHER』は、ゆっくり燃える爆薬のような映画です。殺人、母の愛、赦しという問題を、美しく、悲劇的に、死刑という最終的な状態の中で組み立てています。酷い悲劇を受け、気持ちの整理をつけるためにもがく一家の物語は、社会文化的な境界を越え、普遍的なテーマに触れます。まさにこういう映画をダラムサラ国際映画祭はプログラミングしたいと探していたのです。

<佐藤慶紀監督のコメント>

インド・ダラムサラ国際映画祭への正式出品、とても嬉しいです。これまで「HER MOTHER」は、釜山国際映画祭(韓国)、ヴズール国際アジア映画祭(フランス)、大阪アジアン映画祭(日本)、桃園映画祭(台湾)で上映されました。どれも強い志を持つ素晴らしい映画祭でした。 

そして今回、5つ目の国となるインドで上映させて頂きます。映画祭が開催されるダラムサラは、チベット亡命政府がある街です。今も多くの亡命チベット人が暮らしています。ダラムサラ国際映画祭は、映画館もなかったこの街で5年前から始まったといいます。

憎しみを持つ相手との対話を描いたこの作品が、ダラムサラでどのように受け取られるのか。
私も映画祭に参加しますので、出来るだけ肌で感じてきたいと思います。

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