2014年から開催させていただいております京都国際映画祭におきましては、皆様方に多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございます。
本年度も、京都国際映画祭実行委員会(名誉実行委員長:中島貞夫、実行委員長:中村伊知哉)のもと、第四回目となる「京都国際映画祭2017」(10月12日~15日)を開催させていただきます。
その先行イベントとして、9月23日(土・祝)に元・立誠小学校にて、日本映画 原点の地・立誠と共催で『忠次旅日記』(デジタル修復版)井上陽一活弁ライブを開催させていただく事になりました。
元・立誠小学校が、本格的な跡地活用の決定に伴い、再整備に入ります。そこで、1927年竣工であったことに絡め、同年公開された「忠次旅日記」を、京都国際映画祭2017開催前の盛り上げイベントの一つとして上演します。
伝統の活動写真を守る唯一の弁士である井上陽一さんをお迎えし、大野政夫さんと和洋合奏団を受け継いだ生演奏で上映することで、共に迎える90年をお祝いしたいと存じます。また、アートプログラムからも、言葉を使った作品で知られる現代美術アーティスト・イチハラヒロコさんが、京都のタクシーとコラボレーションする「アートラッピングタクシー」が正面入口に登場します。

※『忠次旅日記』:東京国立美術館フィルムセンター所蔵作品

『忠次旅日記』
1927年に制作されたサイレント映画、剣戟映画。
「甲州殺陣編」、「信州血笑編」、「御用編」の3部作で乱闘場面のフラッシュ、移動撮影などの手法を用いながら追いつめらていく国定忠次の末路を描いた時代劇映画の傑作といわれる作品。監督は時代劇の父とも呼ばれる伊藤大輔、主演は戦前を代表する時代劇スターの一人である大河内傳次郎。

井上陽一
1938年、姫路生まれ。戦前から活躍し、関西を代表する弁士・浜星波に師事。
関西独特の七五調で、女性から子供まで声色を使い分け、場面に応じた音楽も自分で音響機材を操り伴奏。各地の映画祭等で活躍する伝統の活動写真を守る唯一の弁士。