この度、福島第一原発事故後に “20km圏内すべての家畜の殺処分”という国の決定に納得できず、被ばくした牛を生かし続ける畜産農家の人々を5年間撮影し、福島の現実を描き出したドキュメンタリー映画『被ばく牛と生きる』が、2017年10月下旬よりポレポレ東中野にて公開が決定致しました。また、公開決定と共にポスタービジュアルと児童文学賞も数多く受賞し、「風に舞いあがるビニールシート」で直木賞、「みかづき」で第12回中央公論文芸賞を受賞した作家の森絵都さんのコメントが解禁となりました!
2018年にプロレスラーの棚橋弘至さん主演で映画化が決定した原作絵本「パパはわるものチャンピオン」や「悪い本」「希望の牧場」の絵で知られる吉田尚令(よしだひさのり)さん描き下ろし、愛らしくも覚悟を決めたように牛と寄り添う凛としたおじさんの立ち姿が印象的なビジュアルとなっています。
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2011年、福島第一原発事故から1ヶ月後、国は20km圏内を“警戒区域”に指定、立入りを厳しく制限。同年5月、農水省は放射能に汚染された食肉を流通させないため、20km圏内にいるすべての家畜の殺処分を福島県に通達。強制避難を強いられ明日をも見えない農家は、涙をのんで従うしかなかった。震災当時約3500頭いた牛は、牛舎につながれたまま残され約1400頭が餓死した。しかし、「自分たちが育ててきた牛が放射能汚染されたからといって、その命を奪うことはできない」という思いから、国が決定した殺処分の方針に納得できず、膨大な餌代を自己負担しながら牛を生かし続けようと決意した畜産農家が現れた。本作は、故郷も仕事も奪われ、それでも経済価値のない牛を生かし続ける農家の静かな闘いとふるさとへの想いを見つめ、生き物の命の尊厳を問う渾身のドキュメンタリー。ナレーションを務めるのは俳優・竹下景子。目を背けてはいけない福島の現実と切なさを映し出した衝撃作がいよいよ公開!
<コメントが届きました!>—————————————————————————
その土地で、長く牛を育ててきた。殺したくなかった。無意味な命にしたくなかった。
それだけのことで、この人たちはなぜ、こんなにも苦しまなくてはならなかったのだろう。
森絵都(作家)
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監督・編集 : 松原 保/プロデューサー:榛葉 健/ナレーション: 竹下景子/音楽:ウォン・ウィンツァン
製作:㈱パワーアイ  配給・宣伝:太秦  【2017年|日本|DCP|104分|カラー|16:9 】 (C)2017 Power-I, Inc.
公式HPhttp://www.power-i.ne.jp/hibakuushi/

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