この度、ベルギー・フランス・カナダ合作映画『KOKORO』が11月4日(土)よりユーロスペース他全国順次公開されることが決定いたしました。
本作は、ある島を舞台に描かれる、心に傷を負った人間の回復の物語。最愛の弟を亡くし、失意のなか日本を訪れたフランス人女性が行き着いたのは、投身自殺の名所と知られる崖のある海辺の村。そこで出会った元警察官の男は、悩める人々の心に寄り添い、自殺を思いとどまらせていた。彼女と同じように傷ついた人たち、そして島の人々との優しい交流が、ゆっくりと彼女の心に変化をもたらしてゆく。
本作でメガホンをとったのは、ベルギーの女性監督ヴァンニャ・ダルカンタラ。自身の祖母の経験に基づき、第二次世界大戦中にシベリアに追われたポーランド女性を描いた「荒野の彼方へ Beyond the Steppes」(10)で長編作監督としてデビューを飾り、同作でロカルノ国際映画祭オフィシャルコンペティション正式出品、マラケシュ国際映画祭で審査員特別賞、日本のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011にて監督賞に輝いた。主人公アリスを演じるのは、セザール賞常連女優であり、映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』のイザベル・カレ。もう一人の主人公ともいえる元警官のダイスケを演じるのは、 ナ・ホンジン監督作の韓国映画『哭声/コクソン』で国内外の注目を浴びた國村隼。さらにアリスが出会う地元住人ジロウを、『スマグラー -おまえの未来を運べ-』『GONINサーガ』などで知られる個性派俳優、安藤政信、好奇心旺盛な女子高生ヒロミを『愛の渦』『二重生活』などの若手演技派、門脇麦が演じている。

【ストーリー】夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリスの元に、長い間旅に出ていた弟ナタンが戻ってきた。ナタンは日本で生きる意欲を見つけたと幸せそうに語る。しかしその数日後、彼は突然この世を去ってしまう。弟の死にショックを受けたアリスは、弟を変えた人々、そこにある何かに出会うため、ひとり日本を訪れる。ナタンの残した言葉を頼りに、弟の足跡をたどっていくアリス。そこで彼女は、海辺の村に住む元警察官ダイスケと出逢う。彼は飛び降り自殺をしに村の断崖を訪れる人々を、そっと思いとどまらせているのだった。求めすぎず、静かに傷をいやすことのできるその場所に、アリスはどこか安らぎを感じる。そしてダイスケをはじめとするジロウ、ミドリ、ヒロミ、ハルキら、その村で出会った人々との交流が、静かにアリスの心に変化をもたらしてゆく――。

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