『キス&クライ』とは、2016 年に日本で公開され瞬 く間に大ヒ ッ トを飾った『神様メール』や、『トト・ザ・ヒーロー』『八日目』『ミスター・ノーバディ』で異彩を放つベルギー映画界の鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル監督が、公私ともにパートナーのベルギーを代表する振付家でコンテンポラリーダンサーの、ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイと挑んだ、初めての舞台作品。ふたりの異才と気鋭のアーティストたちによる斬新なプロジェクトは、2011 年の初演から「舞台」と「映画」を同時に生み出す型破りな手法と完成度で、世界中の映画と舞台芸術ファンを魅了しました。

Michèle Anne De Mey「指先でダンスが踊れないかしら?」
Jaco Van Dormael「台所のテーブルの上で長篇映画を撮れないかな?」
Michèle Anne & Jaco「観客に全てを見せよう!」

『神様メール』の脚本も手掛けた戯曲家トーマス・グンズィグが書き綴った台詞は、心地よい音楽のようなナレーションへと昇華され、「舞台」だから可能な、現実も妄想も、重力も縮尺も自由に横断するオリジナルの脚本をドルマル監督と作り上げていきました。
細部までこだわったミニチュアの駅舎や列車などの舞台美術。映画の撮影現場さながらのカメラ機材や撮影クルー達で一面を覆ったステージ。舞台を見下ろす巨大スクリーンを背後に、主演をつとめる“記憶”たちがパフォーマーの“手”に姿を変えて、開演の合図を待ち構えている。
客席に座るあなたは、「舞台」と「映画」がまさに“今、ここ”に生まれる瞬間を目撃するのです。

スクリーンに映るのは、ある女性の、断片となった恋の記憶の面影たち。
列車を待つ間に過ぎった、曖昧で生涯忘れることのない初恋のかたち。
ある夜出かけたサーカス小屋、猛スピードで過ぎ去る車窓。
淡くほろ苦い出会いと別れ。
フィギュアスケートの審査結果に一喜一憂するスペース「Kiss&Cry」のように鼓動は高鳴り、指先は人生の機微を物語っていく。

全篇 90 分にも及ぶ長篇映画を創り出せるのは、計算し尽くされた緻密な動きの構成と、ドルマル監督率いる最高の映画スタッフの布陣の賜物。ミシェル・アンヌが考案した手の踊り“ナノ・ダンス”は、見えない主人公の視線や気配を感じさせ、優しく語りかけるナレーションが相まって、直感的な解釈を際立たせてくれます。
メディアに“記録”して再生可能にする「映画」に対し、限られた時間に劇場へ足を運ぶ観客の“記憶”にのみ共有される「舞台」。相反した手法が見事に融合した珠玉のスペクタクルは、観劇する者のみに贈られる至上の時間となるでしょう。
さらに今回の日本初演に合わせて収録するナレーションにリリー・フランキー氏を迎え、高知2公演限りの特別な舞台公演をお贈りします。

公演概要

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督&ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ
「キス&クライ」-KISS & CRY -
予告映像: http://vimeo.com/album/2320940/video/83670468
開演日時=2017 年 9 月 16 日(土)開演 19:00
9 月 17 日(日)開演 19:00
*16 日の終演後、映画評論家の大久保賢一氏を迎えて監督と振付家によるアフタートークを実施します。(要当日チケット)
会場=高知県立美術館ホール
料金=指定席 3,000 円(当日 3,500 円)自由席 2,000 円 *一部見切れあり
※未就学児不可。
※開演後のご入場の制限または自席に着けない場合がございますので、時間に余裕をもってご来場ください。
前売券発売所
高知県立美術館ミュージアムショップ TEL 088-866-7653(直通)
高新プレイガイド TEL 088-825-4335(平日 9:30~17:30、土曜 9:30~12:30)
ローソンチケット【L コード 62106】TEL 0570-084-006 http://l-tike.com/
※ローソンチケットのみ県外店舗でも販売
※割引料金・指定席のみ《前売 2,100 円・当日 2,450 円》身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)は3割引。(ローソンチケットは割引対象外)
無料託児サービス(予約制・定員 10 名)
公演をご覧になられる方で、託児をご希望の方はお電話で仮予約のうえ、申込書を 9 月 1 日(金)までにお送りください。なおご利用は生後 6 ヶ月以上のお子様で未就学児童に限らせていただきます。
申込先:高知県立美術館 TEL 088-866-8000 (9 時~17 時)
高知県立美術館までのアクセス
〇はりまや橋から、とさでん交通路面電車「ごめん」、「領石」 または「文殊通」行きで15分、「県立美術館通」下車、徒歩 5 分。
〇とさでん交通バス「医大病院線」・「県立美術館前」下車すぐ。「高知県立大学・医療センター線」・「県立美術館通」下車徒歩 5 分。
〇高知龍馬空港からは、とさでん交通バス「葛島」で下車して北東へ約 900 メートル、徒歩 16 分。
〇車・タクシーをご利用の場合は、JR高知駅から約 20 分。高知龍馬空港から約 30 分、高知自動車道南国インターから 15 分、高知インターから 10 分。

■特別無料上映会 ―――――――――――――――――――――――
「キス&クライ」日本初演を記念して、ドルマル監督の長篇映画2作品と、ミシェル・アンヌ振付のダンスフィルム3作品を無料で同時上映いたします。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品 ――――――――――――――――――――――――
『神様メール』8 月 5 日(土)10:00|13:55|17:50
〔原題:The Brand New Testament/2015 年フランス・ベルギー・ルクセンブルク/115 分/DCP/PG12/日本語字幕〕
余命を知らせるメールが神様のパソコンから届いた。大パニックな世界で、少女エアのヘンテコな奇跡が、人々のお悩み解決!ラストに届く最高にハッピーな“神様メール”とは――?痛快、ミラクル・コメディ。
ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネート、カンヌ国際映画祭出品。監督の最新作。
監督〇ジャコ・ヴァン・ドルマル/脚本〇ジャコ・ヴァン・ドルマル、トマ・グンズィグ/主演〇ブノワ・ポールヴールド、ヨランド・モロー、ピリ・グロワーヌ、カトリーヌ・ドヌーヴ/ © 2015 – Terra Incognita Films/Climax Films/Après le déluge/Juliette Films Caviar/ORANGE STUDIO/VOO et Be tv/RTBF/Wallimage

『ミスター・ノーバディ』8 月 19 日(土)10:00|14:20|18:40
〔原題:Mr.Nobody /2009 年フランス・ドイツ・ベルギー・カナダ/141 分/35 ミリ/日本語字幕〕
西暦 2092 年。科学の進歩で人類が永遠の命を持つ中、118 才の主人公のニモは唯一の命に限りがある人間。瀕死のニモの過去は、様々な人生の分岐点の両方を生きたものだった…。破格の製作費と奇跡のような映像美で描く、驚異のパラレル・ファンタジー。ヴェネツィア映画祭出品作品。「キス&クライ」にも通じる、監督自身が最も愛する映画作品。
監督・脚本〇ジャコ・ヴァン・ドルマル/撮影〇クリストフ・ボーカルヌ/出演〇ジャレッド・レト、リス・エヴァンス、ダイアン・クルーガー、サラ・ポーリー/© Pan-Européenne Photos: Chantal Thomine-Desmazures

ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ振付ダンスフィルム ―――――――――――――――――
8 月 5 日(土)12:10|16:05
8 月 19 日(土)12:35|16:55

『ファース ア ファース』〔原題:Face à Face /1989 年/38 分/16 ミリ〕
パウエルズ監督の初期の実験的作品の集大成ともいえる作品。自らの存在感を現すことなくダンサーを細かに観察し、撮影にあたっては、繊細な動作を観察することとそれに関与することをうまく中立させる方法を模索した。
監督〇エリック・パウエルズ/振付〇ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ/音楽 シューベルト、アントン・ヴェーベルン、ブラームス、ビリー・ホリデー/出演〇ピエール・ドロゥレー、ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ/製作カイテアター

『ラブ・ソネット』〔原題:Love Sonnets /1993 年/29 分/DVD〕
ダンスを映像化し、欧州のコンテンポラリーダンス界に風穴を開けた映像作家ティエリー・ドゥ・メイが手掛けたダンスによる実験映画のひとつ。愛とダンスをテーマに、555 個の練習曲から成るスカルラッティ作「チェンバロのためのソナタ」とイタリア南部の民謡「アリア・ノバ」の調べにのせて、曲と言葉が示す色調のメロディを可視化した。1996 年アルガルベ国際映画祭にて最優秀映画賞受賞。
監督〇ティエリー・ドゥ・メイ/振付〇ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ/出演〇マロノ・カンテリア、パスカル・ギゴン、オリヴィエ・コッホ、他/製作〇エロイカ・プロダクションズ

『21 のダンス・エチュード』(21 études à danser)〔1999 年/ 21 分/DVD〕
音楽用語のエチュード(練習曲)が演奏者に新たな奏法やアプローチを課題にするように、フィクションのダンス映像を、ミュージカルやバレエの手法に頼らず物語を踊るための黄金比率や、正しい音程を探る、ダンスへの厳しい姿勢を捉えた作品。2000 年フランス・ビアリッツの FIPA にてサバム賞受賞。
監督・音楽〇ティエリー・ドゥ・メイ/振付〇ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ/出演〇ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイカンパニー/製作〇アストラガール/共同製作〇ル・フレノワ国立現代芸術スタジオ

日時=2017 年 9 月 16 日(土)・17 日(日)ともに 19:00 開演
*16 日の終演後、映画評論家の大久保賢一氏を迎えて監督と振付家によるアフタートークを実施します。
会場=高知県立美術館ホール
料金=指定席 3,000 円(当日 3,500 円)
自由席 2,000 円 *一部見切れあり
【速報】無料映画上映会
『キス&クライ』の日本初演を記念して、作者のジャコ・ヴァン・ドルマル監督の長編映画 3 作品と、ミシェル・アンヌ振付ダンスフィルム 2 作品を、無料で上映いたします。
■ジャコ・ヴァン・ドルマル監督映画
『神様メール』(2015) 8 月 5 日(土) 10:00 | 13:55 | 17:50
『ミスター・ノーバディ』(2009) 8 月 19 日(日) 10:00 | 14:20 | 18:40
■ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ振付ダンスフィルム
『Face à Face』(1989)、『Love Sonnets』(1993)、『21 études à danser』(1999)
8 月 5 日(土) 12:10 | 16:05
8 月 19 日(土) 12:35 | 16:55