6年の制作期間をかけて、半世紀以上続く「捕鯨論争」に新たな光をあてるドキュメンタリー映画。
『A WHALE OF A TALE』の邦題が『おクジラさま ふたつの正義の物語』として9月9日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開の運びとなりました。本作は、2010 年公開、東京で 25 週間のロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』の佐々木芽生監督による、最新ドキュメンタリー!
この度、対談企画第二弾<第一弾は作家/ジャーナリストの佐々木俊尚氏>としてフォトグラファーのヨシダナギ氏と佐々木芽生監督による対談<前編>が行われ、その模様を収めた映像が到着致しました。

<アフリカでも捕鯨問題と同じようなことが起こっている>
本作で描かれる捕鯨問題からヨシダナギ氏が思い起こしたのはアフリカの「今」だったという。「グローバル化が進んでいて、アフリカの各国で裸族がいることを好ましいと思わない国が増えてきてしまっていて。政府が裸族っていうものを『なかったこと』にするというような動きが始まっていて。でも、一方では、やっぱり自分たちが長いこと続けてきた文化に恥を感じるなんてことはないっていう、民族と国とのぶつかり合いが結構起きていて。」
アフリカに足繁く通うヨシダ氏だからこそ見える「変化」に対して、佐々木芽生も呼応する。「私も、最初はクジラとイルカっていう話から本作の製作に入っていったんですけど、撮ってるうちにやっぱり捕鯨の問題じゃなくて、まさに仰ったように、グローバルとローカルの話だなって。グローバリズムって、ものすごく強引に色んな所に入ってきちゃってるじゃないですか。そこを黙ってると、簡単に飲み込まれてしまうっていうか。」
アフリカと太地町。遠く離れた二つの地域ではあるが、今そこで失われつつあるモノの共通点を見出した二人の話は「グローバリズム」をテーマに深く進んで行く。世界を舞台にする日本の女性だからこそ見える視点。「アフリカと出会ってなかったら、ずっとうちにこもっていて、何もできてなかったと思う」とまで語るヨシダ氏の、真摯な思いと情熱がたっぷり語られる対談となっている。

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