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このたび2017年ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭正式出品作品であり、ネットフリックスの大ヒットドラマ「ナルコス」の制作チームと映画専門誌VARIETYで、『注目すべきスペインの若手映画製作者の一人』に選ばれた俊英アテム・クライチェ監督が描く
近未来SF映画『スターシップ9』が8月5日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次ロードショーとなります。

ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』(1902)以降、映像技術の発展とともに、『スター・ウォーズ』(1977)『E.T.』(1982)『ターミネーター』(1984)など多くの未知への憧れ、空想を形にしてきたサイエンス・フィクション(SF)。しかし現在、AI、ロボット、宇宙旅行、の科学技術の発展によりかつて空想とされていた未来は今、我々の目前に迫っている。そして近年のSF映画は『インターステラー』(2014)『エクス・マキナ』(2015)『パッセンジャー』(2016) といった起こりうる未来世界を舞台に本格的人間ドラマの秀作を送り出し始めている。
実は日本でも宇宙や近未来の世界を舞台とした人間ドラマは昔から描かれてきており、その世界観は漫画・アニメが文化として根付く日本人に馴染みのあるものだろう。
1950年代に手塚治虫氏によって連載された、21世紀の未来を舞台に人間とロボットの関係を描いた近未来作品『鉄腕アトム』では、ロボットに夢見る一方で核やロボットとの共存など倫理問題が描かれ、1970年代後半には松本零士氏の『銀河鉄道999』が連載開始され、人間の愚かさや孤独といった精神論から、経済格差や実力社会を背景とした世界観の中に、教訓を織り交ぜている。今年ハリウッドでも実写映画化された『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、20年以上前に連載開始された士郎正宗氏の『攻殻機動隊』を原作としているが、昨今の近未来と人間ドラマをテーマにした映画界の思潮が後押しした事が窺える。
本作『スターシップ9』もまた宇宙を舞台にした星間飛行にとどまらず、「愛、献身、勇気、希望、決断、それが我々の未来を創る」というキャッチコピーの元、人類の未来を賭けた様々な人間関係や内面の葛藤がつぶさに表現されている。
科学が進歩した未来に起こりうる地球の異変、倫理観からくる争いなど人間ドラマを多彩に取り入れたきたSF作品が多くある日本だからこそ楽しめる一作となっている。

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