『ローサは密告された』容赦ない暴力、銃口を向けてローサを脅迫!衝撃の警察腐敗の実態を目撃せよ!
本作は、第69回カンヌ国際映画祭で、クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、イザベル・ユペールらを抑えて、ローサを演じるジャクリン・ホセにフィリピン初の主演女優賞をもたらした。監督は、45 歳のデビュー作「マニラ・デイドリーム」で 2005年ロカルノ映画祭ヴィデオ・コンペ部門金豹賞を受賞し、「第3黄金期」と呼ばれるフィリピン映画界を牽引しているブリランテ・メンドーサ。世界三大映画祭のコンペ常連であり、カンヌ国際映画祭監督賞のほか、世界中で50を超える賞を獲得し、タランティーノやショーン・ペンがその才能を絶賛するなど各国の映画人から高い評価を得ている。
公開後のSNSには、「フィリピン警察のやらかし具合は酷いなんてもんじゃない」「腐敗しきったマニラの警察に衝撃と怒り」「フィリピンの警察にカツアゲされたのを思い出した」と警察のヒドさに驚愕と憤怒の声があがった、衝撃の本編映像が到着!
『ローサは密告された』では、どのように警察の汚職が描かれたのか
主人公のローサはマニラのスラム街の片隅でサリサリストアを夫ネストールと共に経営している。
ローサには4人の子供がおり、彼らは家計のため、本業に加えて少量の麻薬を扱っていた。ある日、密告からローサ夫婦は逮捕される。
そして連行された警察で恐喝まがいの要求を目の当たりにする。その要求とは・・・。
要求(1) 法外な20万ペソ(フィリピンで一人あたま最低必要な食費が月1266ペソ[約2820円])を払えば保釈する
要求(2) 20万ペソ払えなければ、麻薬の売人を白状しろ
要求(3) 麻薬の売人を白状したのに釈放されず、麻薬の売人の釈放に費用な5万ペソの肩代わりを要求
しかしながらこの理不尽な要求を取り下げる術はなく、ローサの子どもたちは、その保釈金を用意するために奔走するのだった…。
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証言1 『ローサは密告された』監督 ブリランテ・メンドーサ
「実際にスラム街に関わる警察は、誰が麻薬を扱っているかを知っています。そして、がさ入れが起きるのは、裁判所が閉じられた金曜か土曜日の夜。
裁判になる前に、お金を巻き上げようとする魂胆なのです。本作も土曜日に起こった出来事を描いています」
☞ローサを捕まえた警察たちは、「警察にチクったら殺す!」と、お前らも警察じゃないのか?!とツッコミたくなる台詞や、「金を払えば丸く収めてやる」「今日はチキンで乾杯だ!」など、金を手に入れるために逮捕をしたのだということが伝わってくる。劇中のシーンは、誇張されたフィクションのように思われるが、スラム街に生きる警察のありのままの姿だ。月給だけでは生きていけない警察たちは、金の為に市民を逮捕する。
証言2 日本で最も危険地帯を知る男、丸山ゴンザレス
「本作には異様なリアリティがある。(中略)まず、フィリピンの警察の雑さである。令状なしで犯人宅に押し入り、連行後は取り調べもそこそこに一気に見逃し料の話に入っている。流れるような展開で誇張しすぎと思われるかもしれないが、かなり現実に沿っているのだ。フィリピンの警察は、市の予算で運営される。財政状況はいつもひっ迫していて、捜査にかける予算などはほとんどない。おそらく本作に登場する警察官の月収は2~3万円といったところだろう。そのため警察官は、幹部や署長への上納金を差っ引くといくら手元に残るのかを考えて見逃し料を計算しているのだ。
現場で見逃し料の請求が可能なのは、捜査のスタイルによるところが大きい。科学捜査が前提になって証拠集めをしている日本と違い、フィリピンでは監視カメラの動画と目撃証言や自供が重視される。そのため、まずは犯人を確保してしまって、“状況”に応じて目撃者を用意するかどうかを決めるのだ。つまり、目撃者が出てこない場合にはお蔵入り、迷宮入りにできてしまう。警察の胸先三寸であることをみんな知っているから、見逃し料の支払いにも応じるというわけなのだ」(公式HPより抜粋)
証言3 ドゥテルテ大統領
「警察組織内の40%が芯まで腐敗している」
☞これは2017年1月29日で公で発言されたもの。ドゥテルテ大統領が就任して1年。麻薬撲滅戦争と称して麻薬に関わるものは警察・自警団により超法規的に殺されていることが判明しており、国際刑事裁判所から人権侵害があったとしてフィリピン政府に警告が送られている。だが、麻薬関係者・中毒者を取り締まっていた警察官も腐っていたことが浮き彫りになって来た。フィリピン国家警察には長きにわたる汚職の歴史があり、同国で人権侵害的な法執行機関の最たる例が警察だと米国務省は明言している。フィリピンで警察の汚職が蔓延した原因はマルコス前大統領と考えられる。アメリカの植民地時代を終え大統領になったマルコス。フィリピンを独裁政権のもと支配し、自ら税金を使って豊かな生活を享受したことはあまりにも有名。その独裁政権がフィリピンを腐らせた。
見た者が言葉を失う!警察の密売人への暴力シーン