シアター・イメージフォーラムにて公開する代島治彦監督新作ドキュメンタリー『三里塚のイカロス』の初日が9月9日(土)に決定しました。

「成田空港闘争」という歴史にごりごり迫りつつ、ドキュメンタリーの面白さの真骨頂といえる登場人物たちの魅力があふれます。
音楽は大友良英によるフリージャズ、撮影は小川プロ出身の加藤孝信、劇中印象的な写真は今再び世界に注目される写真家・北井一夫、イカロスの絵は『PRIVATE WORLD』で知られる下田昌克。

◎ 『三里塚のイカロス』解説:
ある日突然、この土地に空港を作るから出て行きなさいと言われた農民たちの闘い。それが今から約50年前に始まった成田空港建設反対闘争だ。成田市三里塚に巨大空港を作ることを決定した政府に対して、農民たちは抵抗運動を開始した。本作は、農民たちとともに闘うために三里塚に集まった若者たちを描く。登場するのは、三里塚闘争の責任者という立場にあった者、農民と結婚した者、当時高校生だった活動員など。これまで誰にも語らなかった“あの時代”と“その後の50年”の記憶を語る。世界中が「政治の季節」に燃え上がるようだった“あの時代”。だが、それは、苦い結末を迎える。若者たちは墜落するイカロスだったのだろうか。中核派政治局員として25年間三里塚現地責任者を務めた岸宏一は、本作完成後、今年3月26日、谷川岳で遭難。この映画が彼の遺言となった。

2014年「映画芸術」日本映画ベストテン第3位などに輝いた姉妹編『三里塚に生きる』(14)が国家と闘った農民を中心に描いたのに対して、本作は農民とともに闘った若者たちの人生を描く。音楽は大友良英によるフリージャズ、撮影は小川プロ出身の加藤孝信、劇中印象的な写真は北井一夫、イカロスの絵は『PRIVATE WORLD』で知られる下田昌克が手がけている。

監督:代島治彦|撮影:加藤孝信|音楽:大友良英|写真:北井一夫
2017年/日本/カラー&白黒/138分/DCP/5.1ch/英字幕付き 配給:ムヴィオラ © 2017 三里塚のイカロス製作委員会
第18回チョンジュ国際映画祭正式招待作品   公式サイト:moviola.jp/sanrizuka_icarus
9月9日より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

◎ 『三里塚のイカロス』公開記念/小川紳介没後25周年:
ドキュメンタリーの大宇宙「小川プロダクション・三里塚とあの時代1967-1973」
9/9(土)~9/17(日)@シアター・イメージフォーラム
全9作品・全作品16ミリ上映
フィルム提供・協力:アテネ・フランセ文化センター、武蔵大学

■上映作品 ① 『日本解放戦線・三里塚の夏』 ② 『日本解放戦線・三里塚』③ 『三里塚・第三次強制測量阻止闘争』
④ 『三里塚・第二砦の人々』⑤ 『三里塚・岩山に鉄塔が出来た』⑥ 『三里塚・辺田部落』
⑦ 『圧殺の森-高崎経済大学闘争の記録』 ⑧ 『現認報告書 羽田闘争の記録』⑨『パルチザン前史』

◎ 『三里塚のイカロス』公開記念:
『日本解放戦線・三里塚の夏』を撮った伝説のキャメラマン、大津幸四郎の遺作にして執念の一作をアンコール公開!
9/18(月・祝)より『三里塚に生きる』@シアター・イメージフォーラム

監督・撮影:大津幸四郎/監督・編集:代島治彦/朗読:吉行和子、井浦新/音楽:大友良英/写真:北井一夫/プロデューサー:赤松立太・代島治彦/企画・製作:三里塚に生きる製作委員会/カラー・モノクロ/DCP/140分/2014年/英字幕付き
1960年代にはじまった成田空港建設反対闘争を、当事者である成田市三里塚の人々の証言から描いたドキュメンタリー。本作が遺作となった大津幸四郎キャメラマンが、『日本解放戦線 三里塚の夏』(1968)以来45年を経て三里塚の農民にキャメラを向け撮影し、共同監督を努めた。現在の三里塚の人々の姿から、空港闘争とは何だったかのか、国家権力に振り回されてきた人々のくらしや考えが静かに浮かび上がる。闘争の過程で亡くなった二人の死者、自宅と田畑を強制収用された大木よねが残した「闘争宣言」を吉行和子が、22歳の若さで自死した三里塚青年行動隊・三ノ宮文男の遺書を井浦新が朗読し、死した者の心を現在へ口承している。
2014年日本映画ペンクラブ文化映画部門第2位/2014年「キネマ旬報」文化映画ベストテン第4位/2014年「映画芸術」日本映画ベストテン第3位

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