フランスの写真家、映画作家であるレイモン・ドゥパルドンの人生を辿ったドキュメンタリー映画『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』の予告編が完成しました。

フランス写真界の巨匠にしてドキュメンタリー映画監督のレイモン・ドゥパルドン(1942-)。毎年5月に開催される第70回カンヌ映画祭でも、最新作『12 jours』(17)がスペシャル・スクリーニング部門で上映されたばかりで、現在も多大な尊敬を集める存在です。
本作は、そんな彼の「世界中を旅したフィルムのかけらで一本の映画をつくる」という夢が実現したドキュメンタリーです。妻であり、共同監督を務めたクローディ-ヌ・ヌーガレは、彼が大切に保管していた思い出のフィルムを大切に繋ぎ合わせ、本作を完成させました。ナレーションも彼女が担当しています。

公開された予告編では、パティ・スミスの「Beneath the Southern Cross」と共に、ドゥパルドンが撮影した映像が次々と紹介されていきます。その中には、彼がこよなく愛したアフリカの広大な砂漠から紛争地帯、また、若き頃のアラン・ドロンやジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールなど貴重な映像も。“ガイドブックに決して載らない”世界中の風景を撮り続けている現在のドゥパルドンの姿も映し出されます。

また、映画の公開に併せ、写真展や回顧上映、書籍の刊行も続々と決定しています。
9/1-10/1にはシャネル・ネクサス・ホールにてドゥパルドンの日本初の個展となる「DEPARDON/TOKYO 1964-2016」が開催。1964年の東京オリンピックに報道カメラマンとて来日してから、現在まで東京の街を撮り続けたドゥパルドンが、東京をテーマに選んだ作品が展示され、本人も来日する予定です。また、9/1-9/3にはアンスティチュ・フランセ東京(エスパス・イマージュ)にて、ドゥパルドンの特集上映「フランスのドキュメンタリー映画史の遺産と現在」が開催。過去の優れたドキュメンタリーも観ることができます。また、ドゥパルドンの代表的な著書「さすらい」の邦訳も8月に刊行予定です。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=56781