このたびイタリア映画界の名匠パオロ・ヴィルズィ監督が、『人間の値打ち』に続きヴァレリア・ブルー二・テデスキと再びタッグを組んだ映画『歓びのトスカーナ』が7月8日(月)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開となります。この度、ヒロインを演じたヴァレリア・ブルーニ・テデスキとミカエラ・ラマッツォッティのインタビュー映像を解禁致します。

緑豊かなイタリア・トスカーナ州を舞台に、精神診療施設から抜け出した女性二人の逃避行を描いた本作『歓びのトスカーナ』。ふとしたことで人生を踏み外し、社会のアウトサイダーになってしまった女性たちに鋭くも優しい眼差しが当てられている。極度の虚言癖があり、嵐の如き“ハイ”テンションで周りの人々を困惑させるベアトリーチェと、過去のトラウマを引きずり何かに脅えているような“ロー”テンションで自らの殻に閉じこもるドナテッラをそれぞれ演じた美しきWヒロインのインタビュー映像が到着した。

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキは物語を「コメディだけど苦悩と絶望に満ちてる」と表現。「ミカエラと絡む喜びや暴力の難しいシーンでは、実際に喜びや激しさを感じた」と振り返り、数々の名作に名を刻んできたベテラン女優が“本気で演じた”作品への想いを明かす。ベアトリーチェは喜怒哀楽の表現が激しく常に声を張り上げて周りに自分の存在をアピールする強烈なキャラクターだが、テデスキはそんな役柄について「正しい人間でもないし、行儀も良くない。粗野な役だからこそ女優として不作法でないことが大事なの。演じていて楽しいわ」とほほ笑む。
一方、ソフィア・ローレンを継ぐ女優と言われ、イタリア映画記者組合が選出する銀のリボン賞で3度にわたり主演女優賞を受賞しているミカエラ・ラマッツォッティも同様に「ドナテッラのような悲痛な役を演じたかった。すべてに恐怖を感じる人物を受け入れたかった」と役柄への強い思い入れを語る。共に心に問題を抱えた者同士でありながら助け合い、“病を治したい”という希望を見出していく姿は感動を呼び起こす。

女性の友情が描かれていながら実は作中で“友達”というワードはほぼ皆無だ。一度だけ出てくる場面もベアリーチェによるその場しのぎのようなニュアンスで、逃避行中に相手を罵倒しながら大喧嘩をするなど、友達とは程遠いように見える二人。初めから意気投合していたわけではない真逆の相手だからこそ一人では出来なかった逃避行が実現し、現実と向き合う二人の旅路の中で絆が深まっていく。そこで生まれた友情は、まったく予想のできない未来を見せてくれるので、観客は二人の逃避行の行方を最後まで見守りたくなるだろう。予定調和的なお涙ちょうだいのドラマではなく、生きることの喜びや悲しみ、堪えがたいほどの痛みもまっすぐに見すえつつ、破天荒なユーモアやサプライズを随所に織り交ぜたヴィルズィ監督の手腕に唸ること間違いなしだ。

映画『歓びのトスカーナ』は、7/8(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー。

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