3組の地方アイドルのオムニバス映画『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』の公開が決定しました。
この作品は、「あるよ」を流行らせた俳優の田中要次、80年代の自主映画界で名を馳せ脚本家としても知られる島田元、怪作『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱(こ)を使う』(10)が話題を呼んだ大工原正樹という3人の監督が、自ら撮りたい地方アイドルを選んで作り上げた短篇3本によるオムニバス映画。
各作共通してドラマとドキュメンタリーを、その監督独自の手法でミックスしているのが大きな特徴です。
田中要次監督は出身地の長野県ゆかりのアイドル、オトメ☆コーポレーションをチョイス。作品完成前の解散というアクシデントに見舞われながら、ドラマを超える現実に誠実に向き合って、哀感あふれる作品に仕上げました。解散発表後にグループのリーダーの久保田光への単独取材を決行し、ファンには忘れがたいラストライブの様子もしっかり収められています。
島田元監督はユニークな音楽性で各方面から評価の高い富士山ご当地アイドル、3776(みななろ)。様々に形態を変えてきたユニットですが、撮影当時は静岡の中学生、井手ちよののソロ。元気で利発な少女の魅力をインタビューをまじえて描きつつ、ドラマ部分では傑作アルバム「3776を聴かない理由があるとすれば」(15)をヒントに、白昼夢の世界へ観客を誘います。
大工原正樹監督は福岡をベースに活躍するFantaRhyme(ファンタライム)。ストリート色の強いボーイッシュなAyuと可愛らしいゴスロリ・ファッションのSAYAの二人組。確かな技量と熱意で都内のフェスに出るたびに「FanataRhymeすごい!」と反応がある伸び盛りの彼女らの「今」を、ドラマ部分に大胆に即興を盛り込みながらイキイキと切り出しています。
三本三様に力を尽くした、これは正に映画版アイドル・フェスと言えましょう。


公開は9月30日(土)から10月13日(金)まで、東京・シネマート新宿で二週間限定レイトショー。初週はキャパ335の大劇場、スクリーン1が予定されており、これはインディーズ作品の単館上映としては破格の規模といえます。この興行を成功させるために宣伝費および上映関連費募集のクラウドファンディングも予定されています。
クラウドファウンディングの詳細、上映時間や監督・アイドルらによる舞台挨拶などの詳しい情報は、6月16日オープンの公式サイト http://www.locodd.com/ や、すでに開設済みのfacebookページ https://www.facebook.com/locodd/ とツィッター @info_locodd をチェックして下さい。
すでに正式な作品名を伏せた謎めいた30秒スポットhttps://youtu.be/1b0i0ZC0yNIがYoutubeにて公開されていますが、間もなくネット限定の長尺版予告篇や工夫をこらした特報映像も次々と公開される予定なので、こちらもご注目下さい。

推薦コメント

映画監督・鶴田法男
テレビ『ほん怖』や映画『王様ゲーム』などで様々なアイドルたちと仕事をさせてもらってきた。役が掴めず台詞が覚えられないと悩んだり、初主演の緊張から肌荒れを起こしてしまったり…。でも、一生懸命な彼女たちの姿はカメラの前でどんどん魅力的になり輝いていく。それを作品に定着させられたと思ったときに映画の神に感謝してきた。
ロコドル(=ローカルアイドル)を描いた本作は、苦渋の決断で解散する彼女たちの姿を追った俳優・田中要次監督の衝撃的で切ない作品から始まる。大工原正樹監督はロコドルの姿をドラマとドキュメンタリーを越境させる斬新な手法で描いて、人生の本質を見抜こうとする。そして、本作の企画者である島田元監督はソロ・アイドルをキラキラとした目線で捉えてアイドル映画の喜びを教えてくれる。彼女たちの魅力を作品に昇華させることに成功した3人の監督たちは、それぞれに映画の神に感謝しただろう。その瞬間を観客も共有できるなんとも贅沢な今までにないアイドル映画だ。

鶴田法男。映画監督。日本で最も知られたオムニバス・シリーズ『ほんとにあった怖い話』(91~、ビデオ/テレビ)の総監督として、Jホラーの作家たちに強い影響を与えた。主な映画作品に『リング0 バースデイ』(00)『おろち』(08年)『王様ゲーム』(11)『トーク・トゥ・ザ・デッド』(13)『Z~ゼット~果てなき希望』(14)などがある。

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http://data.cinematopics.com/?p=57681