このたび、近代建築の巨匠ル・コルビュジエと、インテリア・デザイナーとしても著名な女性建築家アイリーン・グレイの間に隠された波乱万丈のストーリーを美しき映像で描いた極上のドラマ『The Price of Desire(原題)』の邦題が『コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』に決定し、10/14(土)よりBunkamuraル・シネマにて全国順次公開する運びとなりました。

20世紀前半にかけて主にフランスで活躍し2009年に行われたオークション「イヴ・サンローラン&ピエール・ベルジェ・コレクション 世紀のオークション」において史上最高額の約2,190万5,000ユーロ(当時のレートで約27億円相当)で落札された椅子<ドラゴンチェア>を手掛けたことでも知られるアイルランド出身の女性デザイナー・建築家、アイリーン・グレイ。

南仏の海辺に立つ彼女の別荘<E.1027>は建築史上に残る傑作とされるが、そこは長く近代建築の巨匠ル・コルビュジエの作とされ、当のル・コルビュジエもそれを否定せず、アイリーンの存在は歴史の影に覆い隠されてきました。そこには、光り輝く才能を発揮するアイリーンに対する、ル・コルビュジエの密やかな嫉妬と欲望が絡まりあう、知られざる愛憎のドラマがあったのです。
日本においても昨年、上野の国立西洋美術館が世界文化遺産登録されたことも記憶に新しいル・コルビュジエが生涯に渡り固執した、忘れがたき人――アイリーン・グレイ。本作は、モダニズム華やかなりし時代に生きた二人の建築家の人生を、実際の建築や家具などを用いながら眩しい映像美でつづります。アイリーンをBBCの人気ドラマ「MISTRESS<ミストレス>」のオーラ・ブラディ、ル・コルビュジエを『インドシナ』のヴァンサン・ペレーズ、グレイのもう一人の恋人で、当時フランスで歌手として名をはせたマリサ・ダミアをアラニス・モリセットが演じています。

【STORY】
モダニズム華やかなりし1920年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築評論家のジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ<E.1027>を手掛けていた。陽光煌めく南フランスのカップ=マルタンに完成したその家はコルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として生みだされた。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたコルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく。そして1938年、事件は起こる。コルビュジエは、アイリーンの不在時に何の断わりもなく、邸内に卑猥なフレスコ画を描いてしまう。これを知った彼女はコルビジェの行為を「野蛮な行為」として糾弾し、彼らの亀裂は決定的なものになった。その後、大戦とともに、<E.1027>は人々から忘れられ、打ち捨てられてしまう。戦後、すっかり荒れ果てた物件は、競売にかけられる。海運王アリストテレス・オナシスも参加したこの物件を買い戻すために奔走したのは他でもない――ル・コルビュジエだった。

【監督・脚本】メアリー・マクガキアン 【音楽】ブライアン・バーン 【撮影】ステファン・フォン・ビョルン
【美術】エマ・プッチ 【出演】オーラ・ブラディ / ヴァンサン・ペレーズ / ドミニク・ピノン / アラニス・モリセット
2014年 / ベルギー・アイルランド / 英語 / 108分 / カラー / シネスコ / 5.1ch / 原題:THE PRICE OF DESIRE
配給:トランスフォーマー 提供:トランスフォーマー+シネマライズ
後援:アイルランド大使館、ベルギー大使館、スイス大使館 協力:hhstyle © 2014 EG Film Productions / Saga Film

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