映画『幼な子われらに生まれ』不器用な大人たちのアンサンブルムービー予告解禁！！

数々のベストセラーを手がけている直木賞作家・重松清が1996年に発表した傑作小説「幼な子われらに生まれ」。刊行当時『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本家・荒井晴彦が重松と「幼な子われらに生まれ」の映画化の約束を交わし、21年を経た今、監督・三島有紀子（『しあわせのパン』『繕い裁つ人』）の手によって、浅野忠信、田中麗奈、宮藤官九郎、寺島しのぶという個性溢れる豪華キャストで、ついに映画化が実現。
8月26日（土）よりテアトル新宿・シネスイッチ銀座ほか全国にて公開いたします。
この度、本作の予告編を解禁いたします。

映画をご覧になった原作者・重松清さんが思わず「この映画は最高の勲章です」とコメントする程絶賛された本作。
父親、母親、夫、妻という誰もが背負わなければならない家族としての“役割”。つまずきながらも傷つきながらも、それでも家族になろうと、その“役割”を乗り越え成長していく、「普通の家族」を築けない不器用な大人たちのアンサンブルムービーです。

バツイチ・再婚。良き父になろうとしても妻の連れ子とはうまくいかず、悶々とした日々を過ごすサラリーマンの夫・田中信（浅野忠信）。
男性に寄り添いながら生き、信と再婚した専業主婦。新しい子どもが生まれれば、すべてうまくいくと信じているマイペースな妻・奈苗（田中麗奈）。
再婚した相手は末期ガン。実は後悔だらけの人生を送っているキャリアウーマンの元妻・友佳（寺島しのぶ）。
家族は自分の人生を妨げるものだと、家族を捨て、一人で自由に生きる道を選んだ奈苗の元夫・沢田（宮藤官九郎）。

本作は、「やっぱりこのウチ、嫌だ。本当のパパに会わせてよ」という、再婚した奈苗の連れ子（南沙良）の一言で物語は大きく動いていきます。逃れることのできない「家」に帰る主人公・信の後ろ姿や、「子どもってね、こっちをがんじがらめにしちゃうんだよね」という奈苗の元夫・沢田の呟き、「理由は聞くくせに気持ちは聞かない」と責める元妻・友佳・・・。それぞれの思いが激しくぶつかり、元々ツギハギだらけだった家族が、子どもが発した一言によって、更にちぐはくになっていく様子が予告編から伺えます。
監督が「まるで初めて映画を撮るように挑んだ映画」と語る通り、台本を重視しながらも、役者同士のアドリブや新鮮な感覚を大切にしたドキュメンタリー的な撮影手法は、人と人の絆、ぶつかり合いを真摯にフィルムに焼き付け、観る者がまるで家族の一員になったかのような錯覚を起こす程、物語にグイグイと引き込まれてゆきます。そしてそこに描かれた人、家族のリアリティに誰もが共感するでしょう。
父であり、母であり、夫であり、妻である「役割」をうまく担えない、不器用な大人たち。
いびつで、ガラスのような関係を投げ出しそうになった信が、初めて父性と出会い、新たな“家族”を作っていく。心をひりひりさせながらも、現代の「幸せ」の在り方を優しく教えてくれる、つまずき、傷つきながら前を向く大たちの物語です。