この度、独特の演出と映像美でアジアのみならずヨーロッパで絶大な人気を誇る“香港ノワールの巨匠”ジョニー・トー監督の最新サスペンスアクション『ホワイト・バレット』(原題:三人行)が、2017年1月7日に新宿武蔵野館で上映することが決定しました。

本作は、監督自身が1996年に立ち上げた製作会社ミルキーウェイの創立20周年作品として製作されており、『ヒーロー・ネバー・ダイ』(98)、『ザ・ミッション/非情の掟』(99)、『PTU』(03)、『エレクション』(05)、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(09)、『奪命金』(11)、『名探偵ゴッド・アイ』(13)等、発表された作品は香港のアカデミー賞である香港電影金像奨に多数ノミネートされ、数々の賞を受賞と、香港映画を代表する監督と製作会社としてその名を残しています。
そんなジョニー・トー監督が本作で新たに仕掛けるのは、病院のワンフロアを舞台に、頭に銃弾を受けて運ばれた凶悪強盗団の一人とそれを見張る警部、そして銃弾の摘出を拒む男の手術をしようと説得する女医師の3人の駆け引きを描くサスペンス・アクションとなっています。

2016年6月に中国で公開されるや、初日だけで2500万元(約3億8千万円)、中国国内興行収入1億元(約15億円)を稼ぎ出し、ジョニー・トーのノワール作品の中でも最高の興行収入をたたき出しました。

主演は、2016年度の主演作品本数No.1に輝く香港が誇る人気俳優ルイス・クー。ジョニー・トー作品には本作で10本目の出演となり、トー監督とは息の合った仕事ぶりを見せています。そして中国が誇る四大美人女優の一人としてその名が知られ、『少林サッカー』でブレイクし、『So Young〜過ぎ去りし青春に捧ぐ〜』(13)で監督を務め、その才能が高く評価されているヴィッキー・チャオ、そして中国時代劇ドラマの4大人気スターの一人として絶大な人気を誇る『モンスター・ハント』のウォレス・チョンと、初顔合わせの3人が、クライマックスの最後まで息もつかせぬ展開を演技力でみせつけています。

また、いつも仕掛け満載のジョニー・トー監督は、前作で監督した『香港、華麗なるオフィスライフ』(15)ではミュージカルと壁のないセットで観客を驚かせましたが、今回は病院内という限定された場所で、主役3人のせめぎ合いの中で、フロア内にいる医師、患者、警察官、そして強盗団の一味が入り混じり、最悪な状況に陥っていく様を見事に描いています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa