映画『ダゲレオタイプの女』釜山映画祭&シッチェス映画祭へ出品決定!日本人監督史上5人目の栄誉!黒沢清監督がハンドプリンティング(手形)も!
このたび、黒沢清監督が初めてオール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた最新作『ダゲレオタイプの女』(10月15日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開)が、ワールドプレミアとなるトロント国際映画祭に続き、今年10月6日から韓国で開催されるアジア最大の国際映画祭、第21回釜山国際映画祭ガラプレゼンテーション部門への正式出品することが決定!
また、10月7日から開催される、世界三大ファンタスティック映画祭の1つ、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭ニュー・ビジョン部門への正式出品されることも決定致しました!北米、アジア、ヨーロッパと世界中を『ダゲレオタイプの女が』席巻致します!
本作は、世界中に熱狂的な支持者を持つ黒沢清監督の最新作。世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、芸術と愛情を混同した写真家の父の犠牲になる娘と、“撮影”を目撃しながらも娘に心を奪われていく男の、美しくも儚い愛と悲劇の物語を描き出しました。
主役のジャンを演じるのは、数々の名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。ジャンが想いを寄せるマリー役に『女っ気なし』の新星コンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプの写真家をダルデンヌ兄弟作品で知られるオリヴィエ・グルメ。
そして、デプレシャン作品常連の名優マチュー・アマルリックが脇を固めます。
今回、正式出品する釜山国際映画祭では、これまで映画界に多大な貢献をしてきた映画人を毎年数名招待して、ハンドプリンティング(手形)を行ってきました。10月8日の本作上映に併せて現地入りする、黒沢監督も今回ハンドプリンティングを行うことが決定!
なんと日本人監督としては、北野武、今村昌平、鈴木清順、若松孝二に続いて、5人目となります!
これまでBIFF広場に埋め込まれてきたハンドプリンティングは、釜山が映画の街であることを象徴するかのような錚々たる監督たちばかり。
テオ・アンゲロプロス、タヴィアーニ兄弟、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、ヴィム・ヴェンダース、チャン・イーモウ、ジョニー・トー…監督以外でも、エンリオ・モリコーネ、アンナ・カリーナ、ジャンヌ・モロー、イザベル・ユペールなどが手形を残してきました。これまで、日本のみならず世界中から高い評価を受けてきた黒沢清監督が、初めて海外進出作として撮影した『ダゲレオタイプの女』への高い注目が感じられます。
また、日本公開を前に上映される、ファンタジーとホラーに特化したシッチェス・カタロニア国際映画祭での上映にも注目が集まります。
そして、先日、本作のワールドプレミアとなるトロント国際映画祭プラットフォーム部門の審査員が、ブライアン・デ・パルマ監督、チャン・ツィー、マハマト=サレ・ハルーン監督になったことが発表。数々の傑作を生みだしてきたデ・パルマ監督が何を言うのかも楽しみです。
◆釜山国際映画祭 ガラプレゼンテーション部門とは◆
釜山国際映画祭は、映画の振興と芸術への理解を深めることを目的に、1996年から韓国釜山で開催されるアジア最大規模の国際映画祭。
近年では特にアジアの新人監督の発掘と新作のプロモーションに力を入れている。今回、『ダゲレオタイプの女』が出品されるガラプレゼンテーションは、今年もっとも話題の作品を上映する部門。昨年は、河?直美監督をはじめとする4人の監督が製作した「Color of Asia – Masters」や是枝裕和監督の『海街diary』が同部門で上映された。また、釜山国際映画祭での黒沢清監督作品の上映は、昨年『岸辺の旅』以来、2連続となる。
◆シッチェス・カタロニア国際映画祭とは◆
シッチェス・カタロニア国際映画祭は、1968年に設立されたファンタジーとホラーに特化したジャンル系の国際映画祭。
ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭やポルト国際映画祭と並び、世界三大ファンタスティック映画祭の1つに数えられ、世界中から著名な監督や俳優が参加するスペインを代表する映画祭。ジャンル系のコンペ映画祭として上映作品に注目が集まり、ハリウッドメジャー作品から世界各国の最新作まで幅広く質の高い作品がプログラムされ、その年の賞レースを占う重要な映画祭として位置づけられている。
今回、『ダゲレオタイプの女』が出品されるのは、新しい傾向の作品を紹介するニュー・ビジョン部門。
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執筆者
Yasuhiro Togawa