8月から9月にかけて、子役に注目の映画が続々と公開になります。

まず、9/24(土)より公開される『歌声にのった少年』は、『パラダイス・ナウ』『オマールの壁』でアカデミー賞®外国語映画賞にノミネートされたハニ・アブ・アサド監督の最新作。全米の人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版、「アラブ・アイドル」に出場し、見事2013年の“アラブ・アイドル”に輝いたムハンマド・アッサーフ。本作は、彼の実話に基づいた感動のサクセス・ストーリーです。紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区で暮らしていたムハンマド。少年時代の彼は、仲良しの姉ヌールと二人の友だちとバンドを組み、拾ったガラクタで楽器を作り、街中で歌っていました。ムハンマドの少年時代を演じたカイス・アタッラー、姉ヌール役のヒバ・アタッラー、友人2人を演じたのは、実際にガザ地区で暮らす少年少女たち。ガザ全域の学校で行われたオーディションで選ばれた4人は、映画初出演ながら自然体の見事な演技を披露しています。そんな彼らをハニ監督も「私が知っている世界中のどんな子供とも違う。恐れを知らない。彼らは他の子供よりずっと大人だ。その賢さにも驚いた」と大絶賛。厳しい現実を生きながらも、映画の中で素晴らしい演技を見せるガザの子役たちに要注目です。

次に、8/11(木)より公開となった『ジャングル・ブック』。その主人公のモーグリを演じるのは、オーディションで2000人の中から選ばれた12歳の新人ニール・セディ。モーグリ以外はすべてCGという撮影ながら、まるで本当のジャングルにいるかのような、躍動感あふれる演技を披露しています。

8/27(土)より公開となる『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』の主人公ペッパーを演じたのは、2003年生まれの新鋭ジェイコブ・サルヴァ—ティ。ほぼ演技未経験ながら、信念を貫き努力を厭わないペッパー少年のひたむきな姿を熱演しています。

最後に、9/17(土)公開の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』はスティーブン・スピルバーグが『E.T』以来、34年ぶりにファンタジー映画の監督をしたことで話題の作品。本作でひとりぼっちの少女ソフィーを熱演したのは、オーディションで巨匠スピルバーグの目にとまり、女優歴わずか2年あまりでスクリーンの主役へと駆け上がった“奇跡の新人”女優のルビー・バーンヒル。

 最近では「ルーム」のジェイコブ・トレンブレイが天才子役として注目されましたが、この夏は『歌声にのった少年』『ジャングル・ブック』『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』など、世界中の天才子役が活躍する映画にぜひご注目ください。

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執筆者

Yasuhiro Togawa