『パリ、テキサス』、『ベルリン、天使の詩』などの名作や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』などのドキュメンタリーの大ヒット作で知られる巨匠ヴィム・ヴェンダース。劇映画の監督作としては7年ぶりとなった待望の新作「Every Thing Will Be Fine(原題)」が『誰のせいでもない』の邦題で2016年11月12日に日本公開されることが決定した。

物語の舞台は、真っ白な雪に包まれたカナダ、ケベック州モントリオール郊外。
誰のせいでもない一つの事故が、一人の男と三人の女の人生を変えてしまうサスペンスフルなヒューマンドラマ。出演は、ジェームズ・フランコ、シャルロット・ゲンズブール、レイチェル・マクアダムスら実力派キャストで、彼らが繊細に表現する感情のひだが濃密にスクリーンに現れ、観客を新しい映像体験へと誘っていく。『Pina〜』で、驚くべき3D映像を生み出したヴェンダースだが、今作の上映は2Dに加え3D上映もあり、「人物の心の深い奥こそ3Dで語るにふさわしい」とヴェンダースは発言。3Dを観る人には、3Dの新しい可能性も感じられるだろう。スタッフには、ヴェンダースが発見した若き脚本家ビョルン・オラフ・ヨハンセンと、ギャスパー・ノエ作品や『スプリング・ブレイカーズ』で知られる撮影のブノワ・デビエ、いま世界で最も人気の高い映画音楽家であるアレクサンドル・デスプラら当代一流のコラボレーションでヴェンダースの新しい世界を創造した。『Pina〜』で、驚くべき3D映像を生み出したヴェンダースは、今回もさらに新しい3Dの可能性に挑戦。
「人物の心の深い奥こそ3Dで語るにふさわしい」と言うヴェンダースがまさに3Dの新しい扉を開いた映画と言えるだろう。

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執筆者

Yasuhiro Togawa