この度、映画『怒り』(9月17日(土)公開)におきまして、新たな情報を解禁致します。
映画の劇中音楽をあの坂本龍一氏が担当致します!
さらに第2弾ポスタービジュアルと第2弾予告・特報映像が初解禁となりました。

原作:吉田修一 × 監督・脚本:李相日 
『悪人』タッグが日本映画史に刻む、新たな傑作を生む。

「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞した吉田修一の原作と、
『フラガール』で日本中を感動の涙で包み込んだ映画監督・李相日によって作られた『悪人』。
“本当の悪人は誰か”と投げかけるそのメッセージと、人間の本質に切り込んだドラマに日本中の観客が感動、興行収入20億円の大ヒットを記録した。劇場での高評価をそのままに、第34回日本アカデミー賞全13部門15賞受賞、最優秀賞主要5部門を受賞し、第34回山路ふみ子映画賞、第23回日刊スポーツ映画大賞作品賞、第35回報知映画賞作品賞、第84回キネマ旬報日本映画ベストテン第1位、第65回毎日映画コンクール日本映画大賞など国内のあらゆる映画賞を総ナメ、そして第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得る名作となった。

あれから6年———。2人が挑むのは、『怒り』。

映画『怒り』は、
SNSやモバイルの発達により、家族や友人、ときに愛する人でさえ、
簡単に疑ってしまう不信の時代に“信じる”とは?という根源的な問いかけを
一つの殺人事件をきっかけに投げかける群像ミステリーである。

日本を代表する7人の豪華出演陣が集結!

「物語の登場人物には、映画『オーシャンズ11』のようなオールスターキャストを配してほしい。」
映画化に当たり吉田修一からの要望の一つだった。
これに応えるかのようにまさに夢のような7人の豪華出演陣が集結した。
主演は渡辺謙。米ハリウッドでの活躍はもちろんのこと、
昨年は『王様と私』でブロードウェイ・ミュージカルにも初挑戦し、
世界から喝采を浴びる渡辺が本作では一転、千葉の漁村で娘と暮らすしがない父親を演じる。
この他、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮?あおい、妻夫木聡といった人気・実力ともにトップクラスの俳優陣が魅せる迫真の演技は重厚な人間ドラマを紡ぎ出す。

日本が世界に誇る 音楽家 坂本龍一も参戦

『悪人』製作チームのもとに、日本トップクラスの俳優陣が集結。
さらに日本が世界に誇る音楽家が、『怒り』に引き寄せられた————。

『戦場のメリークリスマス』(1983年)で英国アカデミー賞を受賞し
『ラストエンペラー』(1987年)では、アカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞などを受賞。
近年では、山田洋次監督作品『母と暮せば』、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽を担当し、常に革新的なサウンドを追求する姿勢が世界的評価を得ている音楽家・坂本龍一。

この度、李相日監督たっての願いで、世界の坂本龍一に『怒り』の音楽を依頼した。たぎるような怒りと、すべてを諦め冷めてしまった怒り、
人を信じる気持ちと、信じられないと思う気持ち。揺れる登場人物たちの感情を、冷静な世界からエモーショナルに音楽を描けるのは、世界においても坂本龍一しかいなかった、と川村元気プロデューサーは語る。

若く才能豊かな李相日監督の熱烈なオファーを
坂本氏は吉田修一の原作、そして李監督による脚本をすぐさま読み、快諾。李監督と、度重なるディスカッションを重ね、音楽制作が行われた。

原作「怒り」を読んだ坂本氏は、
まず、どのようにしてこの原作が、上映時間に限りのある映画作品として、
練り直されるのかに興味を持ったという。

昨年8月には、
坂本氏は『怒り』撮影現場を見学し、
撮影された映像を観て、
脚本がさらにシェイプアップされ、毎回毎回驚きがあり、より期待が高まったという。

日本とニューヨーク。
李監督と坂本氏は何度も意見交換を行った。
「常に妥協を許さない李監督の姿勢に、何度も何度も直しを要求されたけれど、
音は直す度に確実に良くなっていった」と、坂本氏。

音楽収録は、
今年3月6日(現地時間)、米ワシントン州ケンモア市にて行われた。
そこは、坂本氏がイニャリトゥ監督の『レヴェナント:蘇えりし者』でも収録を行った
バスティア大学内にあるチャペルだった。
シアトル中心部から車で約40分。
湖のほとりにあるバスティア大学内のチャペルは、
1958年に建設され、2005年からはコンサート、音楽収録ほかに使用されるようになった。

メジャーな録音スタジオ
(ロスではソニー・ピクチャーズ、20世紀FOX、パラマウント・ピクチャーズ。ロンドンでは、アビーロード)の録音ステージと同じ質を提供することで知られているこのチャペルでは、
今までも数多くの作品の音楽収録が行われている。

近年では、
『レヴェナント:蘇えりし者』、『キャロル』(2015年)、『RED/レッド』(2010年)、
『しあわせの隠れ場所』(2009年)、『ワルキューレ』(2008年)、『ブロークバック・マウンテン』(2005年)ほか、名作映画の収録が行われた。

そして、この素晴らしい環境の中で、
坂本氏とノースウェスト交響楽団のメンバーが収録に臨んだ。
ノースウェスト交響楽団は、シアトルを中心に活動し、
坂本氏とは『レヴェナント:蘇えりし者』でもタッグを組み、その映画音楽を世に広めた。
オーケストラの楽員は、
「坂本さんは特別な方です。存在感が圧倒的で、部屋に入ってきたことを見て確認しなくても(存在感を)感じるそんな方です。彼の音楽を言葉で表現することなど到底無理ですね。ただ曲に引き入れ包み込み、巧みに設計された音によって、聴いた人間に考える力をもたらし、音楽の世界での旅に連れ出してくれるということは言えます。それは最初の音譜から最後の音譜まで。彼の音楽によって映像作品がより魅力的になるのはそういうことで、まさに魔法にかけられた感じ」と話す。
李監督も、
「音ひとつひとつの響き、厚み、深みが想像以上に音が感情表現している。聴かせていただいた音楽の力で何ステップにも映画が上がっていく瞬間をじかに見せていただいた。責任がさらに増している感じがあります。嬉しい責任ですけどね。」と語る。
坂本氏が、
「パワフルな映画になった」と評するように
ここに原作:吉田修一、監督・脚本:李相日、豪華キャスト陣と
音楽・坂本龍一氏が加わり、今年日本映画の金字塔となる作品が完成した。

また今回、
坂本氏が作り上げた主題曲を2本のチェロで奏でる最上のパフォーマンスにより
世界を魅了するクロアチア出身チェロ・デュオ=2CELLOSが演奏で参加することも決定した!
2011年に2本のチェロだけでマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」を演奏した映像をYou Tube上で公開し、その圧倒的なパフォーマンスが話題となりデビュー。
その後、エルトン・ジョン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズとも競演。
今年7月に開催されるFUJIROCK FESTIVAL’16への出演(最終日24日メインステージのGREEN STAGE)も決定している大注目の彼らと坂本龍一氏とのコラボレーションも楽しみのひとつだ。

坂本龍一【コメント】
李相日さんと初めて仕事をした。
事前の噂では大変に難しい人だという。
実際に仕事をしてみると、なるほどしつこく、粘り強くこちらに様々な要求をしてくる。
しかしそれは「もっとよい方法があるのではないか」「もっとよくなるのではないか」という
李さんの作品へのこだわりからくるものであり、モノを作る人間ならば当然の欲求であって、
逆にそれがないのがおかしいと言わざるを得ない。
『怒り』は日本映画としては珍しくエンターテインメントに流されず、骨太でパワフルな映画になったと思います。

李相日監督【コメント】
「怒り」……これは誰の目にも見えるわけではない。けど、間違いなく誰の側にもあるもの。
そんな雲をも掴み取ってしまうような鋭い感性が坂本さんには存在する。
映像から受けた刺激と、僕のゴタクに忍耐強く耳を傾け、ミリ単位に及ぶ緻密で壮大なサウンドが生み出される。
登場人物たちは多様な顔を見せ始め、シーンは様々な解釈を生じさせていく。もっと深く、もっと濃密に…
思えば、“坂本龍一”という名の大きさに呑まれぬよう自分を叱咤していた。
気付けば、呑まれたのは、『怒り』に臨む坂本さんの姿勢。剥き出しの、その情熱に。

2CELLOS【コメント】
このような日本映画の大作に、そして日本を代表する偉大な作曲家、坂本龍一氏とご一緒できて大変光栄です。
僕たちは2人とも映画やアニメなど、日本の文化が大好きなので、このプロジェクトに参加できてとてもワクワクしています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa