科学者たちがニューヨークの街をゴーストから救ったアクション超大作映画『ゴーストバスターズ』が再始動し8月19日(金)の全国公開に先駆け、8月11日(木・祝)〜14日(日)の4日間、先行公開となる。1984年6月8日に男性メンバーからなる1作目の『ゴーストバスターズ』が全米公開されたことを記念して、ファンの間では6/8は“ゴーストバスターズの誕生日”として長年親しまれてきた本日。新生“ゴーストバスターズ”は心機一転、崖っぷち女子達のチームだが、実は、あの男性チームの1作目から最新作まで、皆勤賞で出演し続けているゴーストがいるのをご存知だろうか?

そのゴーストの名はアグリー・リトル・スパット、通称スライマーなどとも呼ばれる緑色のオバケ。特に人間に危害を加える事は無いスライマーは、生前は貪欲な肥満体の男性で、死後もその食欲の衝動だけが残ってしまったゴーストという設定だ。
初登場となった1作目では高級ホテルに出没し、その食い意地で食べ物はもちろん、皿でもフォークでもバケツでも何でも食べてしまうゴーストとして「宿泊客の迷惑になる」とゴーストバスターズに退治依頼をされる。そして追い詰められた彼は、緑の粘液を出してバスターズをベトベトにした。2作目で、食欲に加えタバコまで吸いだしたスライマーは、なんと、バスを運転してゴーストバスターズの手助けをするゴーストにちょっと更生(?)している。

なぜ強くも、そしてそんなに悪くもないスライマーが全作品に登場するのだろうか?
実は彼にはモデルがおり、それは映画『ブルース・ブラザース』の太った方、ジェイク役などで知られた人気コメディアンのジョン・ベルーシ。1作目の『ゴーストバスターズ』レイモンド・スタンツ博士を演じ、脚本も手がけていたダン・エイクロイドは『ブルース・ブラザース』で名コンビを組み、当時人気絶頂だったジョン・ベルーシをゴーストバスターズに起用し共演するつもりでいたのだが、、、彼が急死してしまいその夢は叶わぬものとなってしまった。そこでダンが亡き友人と楽しく共演する為に考えた粋な戦略が “ゴースト”として登場させる方法で、生み出されたのがスライマーという訳だ。しかも、ジョン・ベルーシが亡くなったのが高級ホテルという事もあり、スライマーの初登場シーンまでもが亡き友人とオーバーラップする小粋な演出になっている。

本当はキャスティングされていたかもしれない幻の5人目のゴーストバスターズ=スライマー。最新作の予告編にも登場する彼は、今回どんな活躍を見せてくれるのか?シリーズ全作に登場し、ただの食欲ゴーストではない緑のキュートなゴーストにも注目して欲しい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa