『岸辺の旅』で2015年カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞、先日行われたベルリン国際映画祭では『クリーピー 偽りの隣人』が正式出品され、好評を博すなど、世界中に熱狂的な支持者を持つ黒沢清監督が、初めてオール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた最新作『ダゲレオタイプの女』が10月より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開となります。

この度、特報映像とティザービジュアルが完成致しました。

特報::https://www.youtube.com/watch?v=TNJ422jR13k

本作で黒沢監督が描き出すのは、世界最古の写真撮影方法である「ダゲレオタイプ」が引き寄せる愛と死。
クラシカルで端正な、これまでにないホラー・ラブロマンスです。
主役のジャンを演じるのは、数々の名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。
ジャンが想いを寄せるマリー役に『女っ気なし』のコンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプの写真家をダルデンヌ兄弟作品で知られるオリヴィエ・グルメ。そして、デプレシャン作品常連の名優マチュー・アマルリックが脇を固めます。

ブルーのドレスを着て遠くを見つめる、不思議な存在感を放つマリー役のコンスタンス・ルソーが印象的なビジュアル。
彼女を支える、ダゲレオタイプでの撮影に用いる拘束器具が異様な雰囲気を醸し出しています。そして、外国人キャストを起用しオールフランスロケを慣行した、黒沢清監督の真骨頂の一端が垣間見える特報。タイトルにもなっている「ダゲレオタイプ」の説明と、そこから生まれる愛と死の不穏な匂いを予感させます。

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初めてフランスで映画を撮りました。日本と何か大きく違うことがあるんじゃないかと最初は心配しましたが、杞憂でした。
映画はやはり世界共通言語のようです。    —— 黒沢 清

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執筆者

Yasuhiro Togawa