映画『バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)をご覧になった方は“ワンダー・ウーマン”のほかに、ちょっとだけ登場した超人たちに驚いただろう。高速で動く”フラッシュ”、生身のまま深海を移動する“アクアマン”、機械と一体化した身体を持つ”サイボーグ”……彼らは通常の人間をはるかに超える能力を持った”メタヒューマン”だ。実はこの超人たち、DC コミックスで活躍しているヒーローであり、今年 1 月から米国でスタートしたばかりの新作ドラマ「レジェンド・オブ・トゥモロー」とリンクしているキャラクターでもある。そのため、米国では『バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生』公開と同時に、同番組の人気も急上昇中だ。
「レジェンド・オブ・トゥモロー」は、バットマン、スーパーマンという最強ブランドを持つ DC コミックスが、満を持して放つ、ヒーロー大集結の SF アクションドラマ。

2166 年。地球征服を企む不死身の男ヴァンダル・サベッジの前に、地球は敗北した。人類の未来を救うため、タイムトラベルができるヒーロー、リップ・ハンター(アーサー・ダーヴィル)は 2016 年に飛び、特殊な力を持つヒーローやヴィランたちを結集してヴァンダル・サベッジを追う。
集まったヒーローたちは、自分の体の大きさを原子レベルまでに縮小できるアトム(※演じるブランドン・ラウスは映画『スーパーマン リターンズ』(06)のスーパーマン役)。鷹のスーツに身を包んで戦う異星人ホークマン(フォーク・ヘンチェル)と、ホークガール(シアラ・レネー)。肉体と精神が別人格で、炎を操り空を飛ぶファイヤーストーム(フランツ・ドラメー)。

そして、このヒーローチームに参加した異色の悪役コンビで、特殊な武器でさまざまなものを凍らせるキャプテン・コールド(ウェントワース・ミラー)、火炎を放射し何でも燃やしてしまうヒート・ウェーブ(ドミニク・パーセル)など、個性的なキャラクターばかり。海外ドラマファンなら、ドミニク・パーセル、ウェントワース・ミラーの名前にピンとくるはず。ドラマ『プリズン・ブレイク』(05〜09)で、主役の兄弟を演じていた二人である。『レジェンド〜』では真逆の能力を持つキャラクターを演じるのが面白い。なお、ヒート・ウェーブとキャプテン・コールドは、すでにヒットしているアメコミドラマ『THE FLASH/フラッシュ』(14〜)では敵役として登場。アトムもまた、『フラッシュ』と、『ARROW/アロー』(12〜)にも登場している。つまり、『レジェンド・オブ・トゥモロー』は、『フラッシュ』、『アロー』のスピンオフ・ドラマでもあり、ファンには嬉しいキャラクターのクロスオーバーを実現してくれるシリーズなのだ。
今後、DC コミックス系のアメコミ映画は『スーサイド・スクワッド』(16)、『ワンダー・ウーマン(原題)』(17)、
『ジャスティス・リーグ パート 1(原題)』(17)などが予定されている。同じ世界観を持つ作品はまだまだ増える予定で、ファンを楽しませてくれることだろう。 TEXT:岸川靖

「レジェンド・オブ・トゥモロー<ファースト・シーズン>」デジタルセル先行配信中、今秋ブルーレイ&DVD リリース
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執筆者

Yasuhiro Togawa