詩人としても活躍する福間健二監督の最新作『秋の理由』が完成しました。
 主演・宮本守役には、「あぶない刑事」シリーズ、石井隆監督の一連の作品、昨年の『百円の恋』などに出演し、この4月2日より公開中の長澤雅彦監督作『恋』で主演を果たした名優伊藤洋三郎。
 ダブル主演・村岡正夫役には、やはり4月2日より公開中の、みずから主演もつとめる15年ぶりの監督作『バット・オンリー・ラヴ』が大きな話題となっている佐野和宏。
 佐野和宏は、1988年、松井良彦監督による伝説のカルト映画『追悼のざわめき』に出演。以後、自主映画からピンク映画へと活躍の場を広げ、瀬々敬久監督らとともにピンク四天王と称されました。2011年に咽頭癌を患って声帯を失い、そこから奇跡的なカムバックを遂げました。4月9日より公開の坂本礼監督作『夢の女 ユメノヒト』でも主演をつとめています。
 ヒロインのミク役は、山戸結希監督作『おとぎ話みたい』、池田千尋監督作『東京の日』などに出演し、若手実力派女優として多方面で活躍中の趣里。
 そして佐野和宏演じる村岡の妻・美咲役を演じるのは、『ヴァイブレータ』『キャタピラー』など、数多くの名作に出演して国際派女優としても名高い寺島しのぶ。
 声にならない声で叫び、全身全霊で演ずる佐野和宏。実力派女優寺島しのぶが彼との真っ向勝負に挑み、伊藤洋三郎と趣里が新境地の魅力を見せます。
 本作は、今年の日本映画の大きな収穫のひとつとなるでしょう。
 2016年秋にK’s cinemaにて公開されることが決定しました。

●福間健二監督コメント
『秋の理由』は、苦悩するひとりの作家とその友人の編集者、六十代を迎えた二人の男の友情と、かれらを取り囲む人々の秋を描いています。その秋は現実と夢が入りくむ季節です。メインキャストの四人が、ぼくの目にはそれぞれのベストと言えるくらい持ち味を発揮してくれています。ひとりの力ではどうにもならないことの多いこの世界の、悲しい秋。でもそれに負けてはいないという光をとらえたと確信しています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa