本作は、20世紀半ばのハリウッド黄金期、国家の“赤狩り”により理不尽な弾圧を受けながらも、偽名まで使って作品を出し続けた脚本家ダルトン・トランボの映画へのパッション、家族愛を描いた、実話に基づく感動の物語です。

順風満帆に見えたトランボの人生でしたが、当時冷戦の影響により横行していた思想弾圧の標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだという理由で投獄されることに。そして釈放された後も迫害は続き、公に活動できない状況に。しかし、名前を変えることで秘密裏に『ローマの休日』などの脚本を書き、2度のアカデミー賞®を受賞します。トランボの物語は、かつてアメリカでも思想信条によって虐げられた人々がいたことを教えてくれます。信条を曲げることなく不屈の創作活動を続けたトランボの生き方は、言論の自由は未だ万人のものになっていない、現在の世界にも通じるメッセージです。

本作には、過酷な状況の中トランボを支え続けた家族、ハリウッドの反共主義の代表格とも言えるヘレン・ミレン演じる映画コラムニスト、ハリウッドスター、映画脚本家、映画会社などが実名で登場し、ハリウッドの黄金期に思いを馳せることができる、最高のエンタテインメントとなっています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa