立命館大学映像学部の学生が制作したオムニバス映画作品が、デルタ航空のエグゼクティブクラスで 2016 年 3 月から 2017 年 2 月までの 1 年間、機内上映プログラムにラインナップされることが決定しました。
この作品は、2011 年度から 2012 年度にかけて本学の客員教授を務める映画監督の中島貞夫氏の監修の下、「映像制作論」の授業の一環で、全行程を学生が制作したオムニバス映画『嵐電の街、ひと模様』です。
映像学部では、日本の大学では唯一、世界最大級の映像見本市「香港フィルマート」に出展し、学生が自ら制作した作品を世界中から集まるバイヤーを対象に販売交渉する取り組みを行っています。2015 年 3 月に香港フィルマートに出展したこの作品が、飛行機内で上映する映画を販売する香港の企業「Encore Inflight Limited(以下、アンコール社)」のバイヤーの目に留まり、2015 年 11月に同社とのコンテンツ販売に関した販売代理契約の締結に至りました。
その後、アンコール社が、各国航空会社との交渉を進め、このたび、旅客運送数および旅客キロ数で世界最大級のデルタ航空のエグゼクティブクラスの機内上映プログラムにラインナップされることが決定いたしました。アンコール社からは、作品としてのクオリティの高さや学生の熱い想いが評価されているとともに、未来の映画界を担う若者への期待も寄せられており、今後も他社での上映も検討されています。
映像学部では、世界に通用する人材育成を目指し、制作技術だけでなく、マーケティングや作品プロデュース力を磨くための教育に重点をおいています。今回のアンコール社との販売代理契約の締結と旅客機内での上映決定という実績は、映像学部におけるアート分野とビジネス分野が融合した成果です。映像学部では、2016 年 3 月に開催される香港フィルマートでも作品の出展を予定しています。

■作品概要 『嵐電の街、ひと模様』(2013 年、全 94 分)
予告編映像 https://youtu.be/W2AgH1XHN_A
京都で 100 年以上の歴史をもつ嵐電(京福電鉄)を基軸に、「人とのつながり」をテーマに展開される 3 つの物語をまとめたオムニバス映画。それぞれ繰り広げられる人間模様を通して、学生から見た社会問題への主張を表現。嵐電の声役を内藤剛志氏が務める。

■作品紹介
 「ぎぶ あんど ていく」
介護ボランティアの意義を模索しながら高齢者との関わり方に悩む女子大生を描く
 「オーブラザー」
強制退去を余儀なくされた 3 人のホームレスと彼らの担当者である市役所員との心の交流を描く
 「ろくでなしに送る歌」
孤独死した老人を目の当たりにし、無縁社会の実状に疑問を抱く芸大生の葛藤を描く

執筆者

Yasuhiro Togawa