今回で5回目となる「中国インディペンデント映画祭2015」が、12月12日(土)から16日間に渡ってポレポレ東中野で開催されます。

中国の映画産業は、国による厳しい管理のもとに多くの制限を受けていて、表現の自由とは程遠い状況にあります。そんな中国にあって、管理体制 や商業システムから独立し、より自由な表現を求めて作られている映画は、独立電影(インディペンデント映画)と呼ばれています。検閲に通り得 ないような表現をあえて取り入れている作品も多く、公開できないと分かっていても撮らずにいられなかったこれらの作品は、とても力強く、社会 性やメッセージ性を持っており、 今の中国が抱える問題などを生々しく伝えています。ただ、近年は政府からの圧力が強まっているため、中国国内でのインディペンデント映画のイベントの多く が中止に追い込まれています。

中国インディペンデント映画祭2015では、こうした中国のインディペンデント映画の中から、特に優れた作品を14本厳選して上映します。 ジャ・ジャンクーがプロデュースし、カフカの小説「城」の舞台を内モンゴルに置き換えて作られた『K』や、チョンジュ映画祭でグランプリを 獲った『詩人、出張スル』、今年公開された『薄氷の殺人』のプロデューサーだったウェン・イェンが初めて監督した『トラップストリート』な ど、話題作がたくさん。また、ほとんどの監督が来日する予定で、中でも王超監督特集では、王超監督と、彼と旧知の間柄である小栗康平監督との 対談も行われる予定です。

【中国インディペンデント映画祭2015】
■期間:12月12日(土)〜27日(日)
■会場:ポレポレ東中野(東京都中 野区)
■主催:中国インディペンデント映 画祭実行委員会
■上映作品:
『K』監督:Emyr ap Richard、額?尼宝力格(ダルハド・エルデニブラグ)
『詩人、出張スル』監督:雎安奇(ジュー・アンチ)
『トラップストリート』監督:文晏(ウェン・イェン)
『癡』監督:邱炯炯(チュウ・ジョンジョン)
『シャドウデイズ』監督:趙大勇(チャオ・ダーヨン)
『凱里ブルース』監督:畢贛(ビー・ガン)
『冬』監督:邢健(シン・ジェン)
『最後の木こりたち』監督:于広義(ユー・グアンイー)
『えぐられた目玉』監督:徐童(シュー・トン)
『最後のハンダハン』監督:顧桃(グー・タオ)
王超(ワン・チャオ)監督特集監督
『安陽の赤ちゃん』
『寝ても覚めても』
『江城の夏』
『幻想曲』
■映画祭サイト  http://cifft.net

執筆者

Yasuhiro Togawa