がんでこの世を去った千恵、33歳。5歳の娘と夫、家族との日々をつづったブログを基にしたエッセイ「はなちゃんのみそ汁」は、2012年に発売されるやいなや、常にひたむきな明るさで生きる安武一家の姿が日本中で大きな話題を呼び、関連書籍やテレビドラマ化、教科書への採用など社会現象を巻き起こし、このたびついに映画化。12月19日(土)よりテアトル新宿&福岡県内先行公開、2016年1月9日(土)より全国拡大公開する。

結婚、妊娠、出産と人生の転機をがんと闘い、食を大切に生きてきた千恵を演じるのは、広末涼子。明るくひたむきに支える夫・信吾を滝藤賢一。はなは、1,000人超の応募者から選ばれた演技経験ゼロの新星・赤松えみなが演じる。監督は、2013年キネマ旬報ベストテン日本映画第1位に輝いた『ペコロスの母に会いに行く』の脚本をつとめた阿久根知昭が、本作で長篇作品監督デビュー。脚本と共に担当した。

現在、ハワイ・ホノルルで開催されている「第35回ハワイ国際映画祭」(11月12日(木)〜11月22日(日)開催)にて、11月15日(日)(※現地11月14日(土))にワールドプレミアが実施され、主演の広末涼子も現地を訪れた。会場前に長蛇の列ができるほどの大盛況で、場内は満席!上映中は温かい家族の物語に涙する人が続出し、上映後は割れんばかりの拍手が鳴り響いた。実は、ハワイ語の<オハナ>には<家族>という意味があり、“はなちゃん”というフレーズの響きと、家族を描いたストーリが結びつき、そしてみそ汁という日本のソウルフードが“家族をつなぐ温かいのみもの”として、ハワイの人々の心に届いたといえる。観客の様子を観ていた広末も「観客の皆様が沢山笑っていてくださり、安心しました。この作品を通して、千恵さんに感謝したいです。そして、安武信吾さん、はなちゃんに出会えたことが何よりの幸せです」と笑顔を浮かべていた。

そして、このたび、主演の広末涼子が<キャリア功労賞>を受賞!!同賞は、これまでのキャリアを総括して評価された俳優に贈られるもので、過去の受賞者には、日本人では渡辺謙や役所広司、海外ではサミュル・L・ジャクソンらがなど錚々たるメンバーが並んでおり、広末は、日本人女優としては初の受賞となり、10代の頃から第一線で活躍してきたキャリアに対して、高い評価が与えられた結果となった。また、今回35回目を迎える映画祭の中でも極めて重要な位置づけの賞であり、広末への注目度の高さの表れともいえる。11月16日(月)(※現地11月15日(日)19時頃)に行われた授賞式で、広末は、冒頭英語で「この場にこうして立てることを嬉しく思っています。とても興奮していて幸せな気持ちです。有難うございます!」と喜びの挨拶をし、「この度『はなちゃんのみそ汁』でこの場に足を運ばせていただき、本当に光栄で嬉しく思います。それと同時に、『はなちゃんのみそ汁』も世界に羽ばたくことを夢見て、沢山の方に愛される映画となるといいなと思います!」と、改めて作品への想いも語った。

【広末涼子のコメント】
この場にこうして立てることを嬉しく思っています。とても興奮していて幸せな気持ちです。有難うございます!(ここまで英語)
この映画祭は、私は初めて出席させていただきますが、とても思い出深いものがあります。皆様ご存知の方もいるかと思いますが、『おくりびと』は、ハワイ国際映画祭ではじめて評価(賞)をいただいて、世界に羽ばたきました。アカデミー賞でノミネートされただけではなく、オスカー像を手にさせていただいて、本当に自分にとってはこの映画祭は思い出深く、すごく幸運なイメージのある場所です。この度『はなちゃんのみそ汁』でこの場に足を運ばせていただき、本当に光栄で嬉しく思います。それと同時に、『はなちゃんのみそ汁』も世界に羽ばたくことを夢見て、沢山の方に愛される映画となるといいなと思います。本当に今日はありがとうございました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa