太平洋沖4800kmという死の海域で捕鯨船“エセックス号”を襲った衝撃の実話を描いた作品のタイトルが『白鯨との闘い』に決定。2016年1月16日(土)に全国で公開される事となった。
本作は、名著「白鯨」に隠された衝撃の真実を描き、2000年度全米図書賞ノンフィクション部門受賞作品に選ばれた「復讐する海—捕鯨船エセックス号の悲劇」を基にし、船乗りを襲った衝撃の真実を活写する。圧倒的な映像美で描かれる海の恐ろしさと荘厳さは、鑑賞者を釘付けにする新たなる映画体験だ。

映画の舞台となるのは19世紀。当時は鯨から取れる油、“鯨油”が生活に欠かすことのできない貴重な資源だった。鯨を狩る“捕鯨”は、年単位の長い航海と、様々な危険が隣り合わせではあったが、多くの人間がかかわる一大産業となっていた。
1819年、“エセックス号”の乗員達も、船いっぱいの鯨油を手にするべく、アメリカのナンタケット港を後にした。彼らは大量の鯨を求めて進んだ太平洋沖4800kmの海域で誰も見たことのないような白い巨大なマッコウクジラに出会い、激しい戦いを繰り広げるものの、圧倒的な巨体に攻め立てられて船を沈められてしまう。
わずかな食料と飲料水をかき集め、3艘のボートで広大な太平洋に脱出した彼らを待ち受けていたのは、水も食料も存在せず、自分たちがどこにいるかも分からない絶望的な漂流生活。1人1人と仲間が倒れていく中、何としても生き延びるために彼らが下す“究極の決断”とは?そして、彼らを試すように幾度も立ちはだかる“白鯨”との戦いの行方は? 今までのどんなフィクションをも超越する真実の物語は、鑑賞者の魂に突き刺さる。

本作の監督を務めるのは『アポロ13』(95)『ビューティフル・マインド』(01)といった不朽の名作を手がけて2度のオスカー受賞という輝かしい経歴を持ち、『ダ・ヴィンチ・コード』(06)『天使と悪魔』(09)といったサスペンス映画でも大ヒット作品を送り続けてきたロン・ハワード。主人公の一等航海士オーウェン・チェイスを『アベンジャーズ』の出演も記憶に新しいクリス・ヘムズワーズが迫真の演技で演じ、『リンカーン/秘密の書』のベンジャミン・ウォーカー、『ダークナイト』シリーズのキリアン・マーフィーが彼と航海を共にする仲間を演じている。また、『白鯨』の著者であるメルヴィルを『007 スカイフォール』(12)のベン・ウィショーが演じており、名優たちが紡ぎだす重厚なドラマも必見だ。 また、本作の全米公開は12月11日となっており、2016年のアカデミー賞レースの大本命として、各方面から大きな期待が寄せられている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa