16世紀英国、 スコットランド女王メアリー・ステュアートとイングランド女王エリザベス1世をめぐる物語、舞台「メアリー・ステュアート」をWOWOWで放送する。
メアリーは、美貌の持ち主で生後6日でスコットランド女王として即位、3度結婚し、欲しいものはすべて手に入れようとした奔放な女性。一方、エリザベスは王位継承権を剥奪された過去を持ち、イングランド女王になってからもその正統性に疑問を持つ者がいる中、結婚や出産を拒絶し政治に全生涯をささげた。史実では決して会うことのなかった2人。もし対面したら世界の歴史は変わったのか、そして、この対照的な境遇の2人がいまだ女性たちの心をひきつけるのはなぜなのか、現代に生きるわれわれに問う秀作。出演は中谷美紀と神野三鈴。

中谷「私が演じるメアリーは3度も結婚をし、しかも選んだ男性を間違ったがゆえに、どんどん不幸になっていく。女性らしい感情を持っている一方、どこか精神的に男性的な面を持っている人なんです」
神野「エリザベスは、自分が女に生まれたがために母を処刑されてしまったんです。女であることを不幸に感じながらも、『ヴァージン・クイーン』と呼ばれ、人間を超えた存在にまで自分をプロデュースした。とてつもなくプロフェッショナルな女王だと思います」

本作では、メアリーと乳母ケネディ、エリザベスと侍女ナニーの対話を通じて、2人の女王の胸の内がつまびらかにされていく。
メアリーとナニーを中谷が、エリザベスとケネディを神野が好演。先ほどまで女王を演じていたが瞬時に乳母、侍女に身分を変えるという、演技派女優の2人にふさわしい演出となっている。また舞台上には巨大な一枚鏡が設置されており、互いの真の姿を映し出す万華鏡のように見える。
神野「鏡は女性にとって、もうひとりの自分。そこには、未来、幻想、絶望、いろいろなものが映るんですよね。鏡はこの作品の重要な役割を担っています」
中谷「でも2人芝居で気の抜けないところに、舞台上は鏡張り。もう退路を断たれた気分で、舞台にすべてを捧げるしかないと思いました(笑)」

「メアリー・ステュアート 中谷美紀×神野三鈴」
9月22日(火・休)夜 8:00 WOWOWライブ

放送に併せて、舞台となる英国チューダー朝時代を紐解くミに番組
「英国の歴史が凄い!エリザベス1世とメアリー・ステュアートの時代」
9月14日(月)午前8:00 WOWOWプライム 他(無料放送)

<関連特集>
2人の女王、愛と哀しみの英国史
詳しくは番組HP ⇒ http://www.wowow.co.jp/pg_info/wk_new/010087.php

執筆者

Yasuhiro Togawa