木村文乃×杉咲 花
2人の女たちが
男たちを躍動させ、物語を動かしていく——。

平素よりお世話になっております。
2016年GWに全国公開予定として、現在製作を進めている映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」。
現代劇初挑戦の野村萬斎が残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読める元・お笑い芸人の人間嫌い、仙石和彦を熱演し、宮迫博之が口は悪いが、仙石が唯一、本音でぶつかれる元相方の丸山竜治を演じる。これまでにないコンビがスクリーンで誕生し、様々な事件に挑んで行きますが、今回、この二人の男たちを10年ぶりに再会させ、ある事件の捜査に巻き込み、さらに躍動させていく本作の鍵を握る“二人のヒロイン”がついに決定いたしました!“女たちの想い”は男たちを躍動させ、物語の扉を開きます!!

■木村文乃×杉咲 花、今注目の女優陣が“Wヒロイン”として物語を彩る!!

ピアノのコンクールに向け、才能溢れる教え子のために、全力でぶつかり、共に練習の日々を送っていたピアノ教師・沢村雪絵。だがある日、突然、その行方が判らなくなる。仙石と丸山が昔組んでいたコンビ、マイティーズのファンであった彼女。それがきっかけで、仙石は彼女の捜査を依頼されることになる・・・。人間嫌いの仙石だったが、ひょんなことから残留思念の中で彼女に出会い、その美しさ、優しさに心動かされてしまい、元・相方の丸山と共にその行方を探すことになるのだった。そんな、どこか謎めいたピアノ教師・沢村雪絵を演じるのは木村文乃。テレビドラマ、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(NHK)に出演し、人気を集め、その後も「マザー・ゲーム」(TBS)、「石の繭」(WOWOW)で主演を務める。映画でも『小さいおうち』(14)、『太陽の坐る場所』(14)、『くちびるに歌を』(15)、『イニシエーション・ラブ』(15)など、その魅力的な演技で数々の人気作品に出演。今、最も注目も集める女優の一人である。本作でも残留信念の中で主人公・仙石と対面するというこれまでに無いシチュエーションの中での演技に挑戦し、その魅力を十分に発揮している!!

一方、雪絵のピアノの教え子である秋山亜美は、雪絵の好きだったマイティーズに捜査を依頼しようと所属事務所にアポなし訪問。行動派の彼女は依頼人となり、丸山と共に半ば強引に仙石を捜査に引き込んだり、雪絵の思念が残りそうな場所へ次々と2人を連れ回す。さらには、警視庁に捜査依頼を出したりと、一癖も二癖もある仙石&丸山のコンビをどんどん捜査に巻き込みながら、雪絵の行方を探すのだった。そして、いよいよ雪絵と共に練習に励んでいたピアノのコンクールの日を迎えるのだが・・・。そんな女子高生ピアニスト・秋山亜美を演じるのは杉咲 花。宮迫とも共演した「夜行観覧車」(TBS)、「なぞの転校生」(TX)などのテレビドラマの他、『イン・ザ・ヒーロー』(14)、『繕い裁つ人』(15)、『愛を積むひと』(15)などの多数の映画に出演。『トイレのピエタ』(15)では1年間に渡るオーディションを経て、ヒロインにも抜擢される。また、劇場版『MOZU』(15)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)といった話題作の公開も控える。10代ながらもその抜群の演技力が高く評価されている注目の女優であり、本作でも、狂言師・野村萬斎、芸人・宮迫博之という現実にも話芸を極める二人との共演シーンでも、全く引けを取らない掛け合い、演技を披露している!!

キャスト・スタッフ コメント

木村文乃さん

脚本が、サスペンスとしても人の気持ちを思う人間ドラマとしてもとても面白かったです。一緒に捜査をしているような気持ちで最後まで一気に読みました。テーマになっている人の想いとか、記憶について、普段から、あまり過去を振り返らないのですが、確実に過去の積み重ねで今の自分になっている。そのことは絶対忘れてはいけないと思っていて、今ちゃんと生きていないと1年後、3年後、5年後もしっかりはしていられないと思っています。
今回、演じる雪絵は人に面と向かって言えるくらいの経験をしている人だと思っています。狼狽したりとか、女性らしさがあるというよりかは、どこか凛としていていいのかなと思って演じています。
もし、普段の私がマイティーズの二人に捜査を頼んだら、結果が出ようが出まいが、むしろこの依頼をどうやって捜査してくれるのか、過程を楽しみにしてしまいそう(笑)。飼い猫が逃げちゃったとかは、すごく面白く捜査してくれそうです(笑)。
この作品は、笑いあり涙あり切なさありという言葉がとても似合う贅沢な作品になっていると思います。私はそこに少しでも力を添えられたらと思っています。是非、楽しみにして下さい。

杉咲 花さん
今回演じる亜美は一途な子です。とにかく(木村さん演じる)雪絵さんのことが大好き。ピアノは嫌いで、やりたくないと思っているんですけど、どこかで雪絵さんがやれなかった分を頑張りたいっていう思いもある。そんな亜美の雪絵さんが好きだという思いを大事にして演じています。ピアノは本当に弾いたことがなかったんですが、弾く位置がわかっていたり、弾いてる感覚がわからないと、演技が出来ないものだったので、本当に弾けるようにと練習しました。
萬斎さんは、優しくて素敵な方です。今回、萬斎さん演じる仙石さんがすごく面白くて。笑うの本当に我慢しています。(笑) 猫背で、喋り方もすごくツボなんです。(笑)亜美はいちいち仙石にツッコみを入れたり、ちょっとあたりが強かったりもするんですけど、一緒に捜査していく中で信頼していっていると思います。
この作品が面白くなるように皆さんと一緒に頑張って撮影しています。楽しみにしていてください。

金子修介 監督

Q.木村さんについて
美しさはもちろん演技もしっかりした女優さんです。一緒にお仕事が出来て嬉しいです。木村さんが演じる雪絵は、まさに厳しい愛情を持った先生という感じが一瞬で判るのではないかなと思います。また、主人公の仙石は思念の中で雪絵に出会います。彼女が(生徒である)亜美に言っている言葉が、思念の中で、そのまま仙石にも響いて、彼の行動原理となり、感情も動かされていく。この作品の中でもすごく大事なシーンなんです。そのシーンなどはモニターを見ていて、仙石の気持ちのように、本当にドキってなりますよ。

Q.杉咲さんは如何ですか。魅力については仰ってましたが。今までにあったことのないタイプと。
お芝居が本当にうまいです。自分で考えた動きも出してくるし。まだ17歳ですが、すごいキャリアがある女優のように見える。大物ですよ(笑)。力あるというか、芝居も深いものがあります。宮迫さんや萬斎さんに囲まれても萎縮しないで堂々とやってる。瞬発力がすごいんです。一見小さくて可愛らしい感じなので、「大丈夫かな?」という不安感もあったんですが、現場に立つと一瞬にしてパッ!とパワーを発する。急にスイッチが入るというか。リハーサルの時と本番の時とは違う感じで、あれは見ててハッとします。それが撮っていてもスリリングです。彼女もいろんな映画を見ているし、非常に勉強家です。

川田亮 プロデューサー

Q.今回、沢村雪絵役に木村文乃さんを起用した理由は?演じられているのを見ていかがですか?
木村さんが演じる雪絵は失踪人の役ですよね。通常だと、失踪人のキャラクターというのは失踪したままで、実際のシーンには登場せず、回想シーンとかで出てきます。ただ、本作では基本、仙石の思念のなかで登場する。人の想いの中で立ち上がっていくキャラクターが雪絵なんです。
また雪絵も両面性を持っていて、清楚さというか、亜美と向かい合っているときの先生然とした清楚さっていうところがありつつ、自分が過去にプロとして立ち上がれなくて亜美にそれを追わせようとしてるぐらいの想いの強さがある。失踪してしまった所やその先のことなど、複雑なシチュエーションで演技してもらわなければならない。
そこまでの役を引き受けてくれて、役としてあてはまる人は誰だろうって思っていました。その時に、清楚さと芯の強さを兼ね備えててしかも、野村萬斎さんと向き合えるのは、木村さんがしかいないだろうと思い、オファーしました。
演技を見ていて、凄いなと思ったのは、彼女の見る視線の演技だけで多くを語ることができるところです。もちろん、キャスティングした理由の一つにそういうところにあるんですが、ちょっと弱っている所と、ちょっと強い所と、ちょっと優しい所と本当に目線一つでお芝居されていて、しかも、それが絶妙に効いてくるんです。目線一つでここまでの芝居されると、“感服致します”という感じです!

Q.今回、秋山亜美役に杉咲 花さんを起用した理由は?演じられているのを見ていかがですか?
そもそも萬斎さんと宮迫さんが決まっている中で、その間に亜美として誰が立てるのかっていうことを考えた時に、みんな満場一致で杉咲さんだったんです。
秋山亜美は、物語で重要な「事件を解決してください」というお願いする側の依頼人。しかも仙石・丸山の二人を半ば振り回していくというか、引っ張っていく設定。それでいて、純真、純粋、一途な所があるんだけれど、ちょっと今は心に乱れを生じてる役である。依頼人で来てるときは一途。だけど、雪絵を向き合っている時はぶれがあったりと両面性を持っているんです。
杉咲さんは芝居の上手さもあるし、亜美の持つその両面性を兼ね備えていて、しかもフレッシュさも持っている。亜美は杉咲さんしかいないだろうと思いました。
まず、本当に芝居がうまい。彼女がセリフを言うとズバッと切られる感じがあるんです。それって純粋さ、純真さからくることなのかもしれません。特に彼女の場合は若いが故のストレートさがあって。それが、普通の台詞にも通っていくんですね。それが凄く良いんです。大人を相手にしていると特にそうなんですが、言葉を発した時の真実味みたいなものが、際立っているんですよ。普段はぽわんとしてて大人しい感じなのに・・・。あの強さはなんなんだろうと思いながら見てます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa