ピンク映画の最大手・大蔵映画が一般映画館向けプロジェクト「OPPICTURES+」を立ち上げました。

1962年に制作された日本で初めてのピンク映画「肉体の市場」を配給。それから53年間、現在もなお「OPPICTURES」名義で年間36作品コンスタントにピンク映画の制作を続けている映画会社、それが大蔵映画です。そんな全てのピンク映画の歴史を知る大蔵映画が新たなプロジェクトをスタートします。

「OPPICTURES+」
これは、18歳以上の方のみが観られるR18+のピンク映画の魅力をより多くの方に知っていただきたいという想いから生まれたプロジェクトです。一つの企画をR18+とR15+の2バージョンで制作し、従来のR18+は成人劇場で、濡れ場をコンパクトにしドラマ部分をより充実させたR15+は「OPPICTURES+」シリーズとして一般劇場で公開します。

ピンク映画は「映画」です。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の滝田洋二郎監督も、今年、カンヌ映画祭で監督賞を受賞した黒沢清監督もピンク映画出身。今もピンク映画はそんな才能の原石が満ち満ちています。
今回、「OPPICTURES+」第1弾ラインナップとして公開するのは今のピンク映画を語るうえで欠かせない二人の監督の力作。ピンク映画のアカデミー賞と呼ばれる「ピンク大賞」で、本年度の最優秀作品賞を受賞した山内大輔(やまのうちだいすけ)監督の「犯(や)る男」、監督賞を受賞した竹洞哲也(たけほらてつや)監督の「誘惑遊女〜ソラとシド〜」です。
退廃的な世界の中に生まれる愛の形を圧倒的な緊張感と特殊造形と共に描く「犯る男」、女の子の心の揺れ動きと町の再開発をリンクさせ、微妙な心情を効果的な風景描写で表現する「誘惑遊女〜ソラとシド〜」。
どちらも監督の個性が存分に発揮された見応え十分の作品に仕上がっております。
また、以後もピンク映画の持ち味である自由さを武器に、他社では作れない愛をテーマにした作品が続々と登場予定です。どうぞご期待ください。

『犯る男』
<STORY>
押し込み強盗の吉井は、ある日夫からの激しいDVに耐えながら暮らすユリ子と出会う。過去のトラウマに囚われる吉井と現在に絶望するユリ子は、互いの足りないものを埋め合うように惹かれあうが、ある事件がきっかけで歯車が狂いだし…。
出演:朝倉ことみ、涼川絢音、川瀬陽太、朝宮涼子、瀬戸友里亜、和田光沙、野村貴浩
監督・脚本・音楽:山内大輔|撮影監督:田宮健彦|特殊メイク:土肥良成・北落香奈子

『誘惑遊女〜ソラとシド〜』
<STORY>
昭和の面影を残すちょんの間「どれみ」。遊女の空は姉代わりの志渡と共に店に立
つ。ある時、街の再開発の話が持ち上がり「どれみ」は立ち退きの危機を迎える。
人生の岐路に立たされた二人がそれぞれに選んだ結論とは…。
出演:かすみ果穂、RiKA、倖田李梨、ダーリン石川、津田篤、小林節彦、服部竜三郎
監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影:ザオパン・ツェン|音楽:與語一平

8/22(土)〜8/27(木) 犯る男/8/30(日)〜9/4(金) 誘惑遊女〜ソラとシド〜
テアトル新宿限定レイトショー!(各初日、舞台挨拶予定)

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa