野村萬斎&宮迫博之、この2人、面白すぎる。
男たちは“人の思い“で躍動する——。
2016年、新たな圧倒的な最強コンビとして幕を明ける!
シャーロックホームズとワトソン、明智小五郎と小林少年、ルパンと次元、探偵と高田。探偵、怪盗、刑事・・・事件のある所にエンターテインメントが生まれ、観る者は事件解決にワクワクし、謎を共に追い、冒険にハラハラし、時に涙した。いつしか時代を代表するコンビが生まれる時、それはキャラクターがアイコンとなり、時代のシンボルとなる瞬間でもある。そして、ここに新たなる2ショットをお届けできる。野村萬斎&宮迫博之。この2人の化学反応は前代未聞、想像を凌駕する。今の時代に男たちは“人の思い“で躍動する!!

■野村萬斎&宮迫博之 これまでにない“新たなコンビ”が誕生!!
主人公は残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男・仙石和彦。かつて、その能力を使い、マイティーズというコンビで日本中を湧かせたこともあったが、その能力の代償に精神をすり減らし、コンビも解散、以来、マンションの管理人として人目を避けた生活を送るように・・・。
この仙石を演じるのは野村萬斎。狂言師でありながら、ドラマや映画と様々なフィールドで活躍する。これまでは『陰陽師』(01)や『のぼうの城』(12)など数々の大ヒット時代劇で主演を務めてきたが、満を持して本作では、初めての現代劇に出演!個性的な主人公・仙石を唯一無二の存在感で演じる。
一方、仙石の相棒であり、元相方のマイティ丸山は、マイティーズ解散後もピン芸人を続けるものの鳴かず飛ばず・・・。再会した仙石を口八丁、手八丁であおり外の世界へと引きずり出すものの、一見、風変りで理解できない仙石の行動にヤキモキし、振り回され、喧嘩もしばしば。とはいえ、なんだかんだ仙石のことが気になり、結局放っておけない。また、仙石にとっても唯一、本音でぶつかることができる貴重な存在。この丸山を演じるのは宮迫博之。お笑いコンビ・雨上がり決死隊として、数々のバラエティーに出演する傍ら、俳優としても数多くの人気ドラマ・映画に出演し、多くの賞を受賞した、高い演技力をあわせもつ実力派俳優。
交じり合うことのなかった二人が“新たなコンビ”として、この二人にしかできない捜査で様々な事件に挑んでいく!

映画『スキャナー』 コメント

野村萬斎さん
僕は狂言師なので、どうしても腹から声を出してしまいます。今回は現代劇ですし、そんなに大きな声を出さないでと監督に言われていますので、なるべく自然に喋ることを心がけています。
今回の脚本の、物に人間の思いが宿るというのは日本的な感性で素敵ですよね。そして、それが事件を解決するカギになるというのもオリジナルの面白さだなと感心致しました。僕らも先祖伝来の衣裳や面には人の思いが宿っていると感じます。面にしても単純に木のきれっぱしだと思えばそうかもしれませんが、そこに色々な人の思いが宿っているんだと思うからこそ、恭しく扱う訳ですよね。そう思うとこのお話にも全く共感できますね。
また、宮迫さんとのコンビですが僕も漫才師になったような不思議な気分です(笑)。狂言もセリフ術ですが、今回セリフの応酬で魅せる部分もあるこの作品の中で話芸を培われた宮迫さんと一緒にやると非常にテンポ感が出ます。判り易く言えば楽しいキャッチボール。お互いが楽しんでいて、それを人が見て楽しい。そんなコンビネーションになっていると思います。

宮迫博之さん
本来、映像のお仕事に限らず、ある程度の緊張を持って仕事に臨むんですけど、今回は芸人ということもあって今の所、ほぼフラットです(笑)。
僕は幽霊=残留思念説っていうのを小学校からずっと唱えているんです。「幽霊はいない!ただの思いという映像が残っているんだ」と。なので、非常にこの話には興味を持ちました。舞台だってそうです。怖いですよ〜、1000人の前で漫才やって、誰一人笑わない。あの時の思念は絶対残ってます(笑)。
萬斎さんとお仕事させてもらうのは初めてなんですけど、とにかく初対面の感じがしなかった。不思議と、何の違和感もなくリズムよくできたんです。ただ我々も喋る仕事ですが、発声のレベルが全然違う。(萬斎さんの)役柄的には(発声を)抑えないといけないので、監督さんから注意されることもあるんですが、その時の発声が全てこっちのお腹に響いてくるから、すげ〜なと!(笑)。あのお腹に響く発声はどうやってるんだろう?などと思いながら、ご一緒しています。

金子修介 監督
今回の脚本は今までにない独創的なストーリー展開だなと思います。主人公は残留思念が読めるのですが、生きてる人の気持ちまでは読めない。物に宿った思念を読み取るだけ。役に立つ能力じゃなく、過去に起こってしまったことを知っていくだけ。そこが面白いんじゃないかなと思います。さらに、古沢さんの台詞のやりとりの上手さを生かし、骨太で皆が面白がれる新しいタイプのエンターテイメント映画ができるなと思っています。
まだ撮影は途中ですけど、萬斎さんと宮迫さんの二人の掛け合いは、昔からコンビをやってるんじゃないかと観ている人には思えるでしょう。萬斎さんのしっかりした芝居に宮迫さんがツッコミを入れて来るのが、実はしっかり計算さている。でも、そんな風には見えないはずで、ニヤニヤと時には吹き出してしまいますよ。

脚本家 古沢良太
今回の脚本を書き始めた頃、記憶に興味があったんです。同じ出来事でも人によって全く違うように覚えていて、大体は自分に都合のいいように物事を解釈し、それが正しいと記憶している。そんなことが悲劇のキッカケになっているというプロットで作りたいと思っていました。
主演の萬斎さんは普通の人っていうよりは、普通じゃない人…“変人”をある説得力を持って演じられる人であるだろうと思っています。なので何かしらの特殊な能力を持った人間でいこうと決めていました。色んなアイディアはりありましたが、新しいヒーロー像がいいと思っていて、正攻法で事件を解決するプロットの中に今までに無いような主人公、探偵像を作りたいと思いました。
そんな中で、人が長年使っていた物に魂が宿るという発想が出てきた所、主人公が人や物の残留思念を読み取ってしまうという画が思い浮かんだんです。そこから書き始めました。
一方、宮迫さんが演じる丸山というキャラクターはお笑い芸人。なので、本職の方がやってくれると説得力があります。バカなことも言うけれど、いかんせん仙石がもっと変人なので、ビシバシ、突っ込んでいかなきゃならない。その両方を器用にできる方がいいと思っていたので、宮迫さんは本当に理想的だなと思っています。
オリジナルで脚本を書かせて貰えるのは脚本家としてすごく幸せなことです。「相棒」→「ゴンゾウ」→「探偵はBARにいる」と事件ものの面白さを学び、面白さを知りました。それらの仕事を通じて学んだものの、自分なりの最新型がこの作品です。現時点での集大成でもあると思います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa