【FESTIVAL】FIAPF公認の国際映画祭出品の快挙
第39回モントリオール世界映画祭(2015年8月27日〜9月7日/カナダ モントリオールにて開催)
First Films World Competition(ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション)正式出品決定。
国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭のひとつで、当コンペは初監督作品が対象となる部門。

スタッフ&キャスト異例の豪華布陣

『ヘブンズストーリー』(瀬々敬久監督)、『岸辺の旅』(黒沢清監督)、『舟を編む』(石井裕也監督)など名匠の作品で助監督を務めた菊地健雄の監督デビュー作。
脚本は『貞子3D2』の杉原憲明、アニメーションをベルリン国際映画祭銀熊賞の和田淳、エンディングテーマが注目の新鋭ロックバンド森は生きている、予告編監督に『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつき。
主演に『パッチギ!LOVE&PEACE』の中村ゆりを迎え、青山真治組常連の斉藤陽一郎、山下敦弘作品に欠かせない山本剛史、北野武映画で存在感を示す桐生コウジと柳憂怜ら男優陣が脇を固め、今をときめく染谷将太とハリウッドで活躍中の菊地凛子も友情出演で華を添える。
錚々たる面々に支えられ、故郷足利市を舞台に挑んだ新人監督渾身の意欲作。

【COMMENT】菊地健雄を取り巻く35人の監督からの応援&ダメ出しコメント続々
安里麻里、石井裕也、いまおかしんじ、岩田ユキ、榎本敏郎、大九明子、大西裕、大森立嗣、奥原浩志、加藤直輝、木村承子、久保朝洋、熊切和嘉、熊坂出、黒沢清、坂本礼、佐向大、諏訪敦彦、瀬々敬久、瀬田なつき、高橋洋、タナダユキ、谷口正晃、たむらまさき、冨永昌敬、内藤誠、西山洋市、萩生田宏治、濱口竜介、日向朝子、古澤健、本田隆一、万田邦敏、ヤン ヨンヒ、横浜聡子(50音順)
コメント抜粋文は6/27(土)よりテアトル新宿にてティザーチラシ、全文は公式サイトにて公開。

【TOPIC①】瀬田なつきが緊急参戦

『嘘つきみーくん壊れたまーちゃん』(大政絢・染谷将太主演)の瀬田なつき監督が本作予告編を担当。
『みーまー』の助監督を菊地が務めた関係で、監督が他作の予告演出するというサプライズな展開。
瀬田ならではのリズム感が光る斬新で異色な特報が完成。

【TOPIC②】アニメ界の若き天才が描き下ろし

劇中登場する「リョウモウシカ」はアニメーション作家の和田淳デザインによる。
ベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞した『グレートラビット』で世界にその名を知らしめ、最近ではACジャパンのCMでもお馴染みの若き天才のアニメーションが本作の冒頭を飾ることに。

【TOPIC③】初監督×新鋭音楽家コラボの妙

エンディングテーマは森は生きているの「気まぐれな朝」、劇伴は同バンドリーダーの岡田拓郎が全曲手掛ける。十年に一度の逸材と言われる注目の新鋭ロックバンドのサウンドに菊地監督が惚れ込みライブ会場で口説き今回のコラボレーションが実現した。

【TOPIC④】染谷将太×菊地健雄の友情物語

何の実績もない無名の監督にこれだけの面々が集結するのは、助監督ならではの調整能力と、人柄のなせる業。
その人間性に魅かれる者の一人が、子役時代から菊地を慕う染谷将太。菊地初監督の折には何をおいても出演すると明言、多忙なスケジュールを調整。TBS『A-Studio』に出演する際はゲストとして菊地を指名するほどの親密。菊地の顔をシカに見立て自らデザインしたスタッフTシャツで現場を盛り上げた。

【TOPIC⑤】シカに込めた企画者の想い

タイトルの『ディア—ディア—』は英語表記で『Dear DEER』となり「親愛なるシカ」を意味する。
本作企画の桐生コウジは2008年に父親を亡くし億単位の負債がある会社を長男として後継した。
2010年に人気のももいろクローバーを起用し映画製作に乗り出すも、公開直前に発生した東日本大震災の影響で不入り赤字。起死回生の本作は「借金苦の長男:冨士夫役」に自身を重ね合わせ企画。長男の重責も多額の借金も非常に重いモノだが、一方で新たな道を築く転機にも成り得るということを実感。
三兄妹にとって本来は忌み嫌うべき存在のシカに対し、皮肉を込めて敢えて「親愛なる」と形容した。

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執筆者

Yasuhiro Togawa