イタリア・アカデミー賞ともいうべきダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で監督賞、主演女優賞他 11 部門にノミネートされた話題作『カプチーノはお熱いうちに』が、9月よりシネスイッチ銀座ほか全国での公開が決定、その予告篇とビジュアルが完成しました。

本作は、南イタリアの美しい街レッチェのカフェで働くエレナが、性格も生き方もまるで違うアントニオと出会い、恋に落ちるところから始まります。その13年後、ゲイの親友ファビオと始めたカフェが成功し、アントニオとの間に二人の子供をもうけ、多忙な日々を送っていたエレナだったが、乳がんに冒されていることが発覚。恋も仕事も手に入れてきたヒロインが遭遇する人生の乱気流を、家族や友だち、恋人の愛で乗り越えていく13年間を描いたヒューマン・ラブ・ストーリーです。

監督は、イタリアの名匠フェルザン・オズぺテク監督。老舗パスタ会社のお家騒動をコメディタッチで綴りながら、「自分らしく生きること」の大切さをテーマにして大ヒットした『あしたのパスタはアルンテ』に続いて描かれるのは、あるカップルとその友人、家族たちの 13 年間。人間を、深く、やさしく見つめるオズペテク監督らしい、人間味あふれるキャラクターの造形は、円熟期に入った監督の最高傑作であることを感じさせます。
今回完成した予告編では、石畳の街並とアドリア海が美しい南イタリアの街レッチェを舞台に、雨の日のバス停で運命的な出会いをしたエレナとアントニオが恋に落ちていく様子や、13 年後、カフェを経営するエレナに病が発覚し、家族や友だちの愛に支えられる姿が映し出されています。

さらに、13 年の時の流れを体現すべく、途中で一ヶ月の中断をはさみ 2 回に分けて撮影を行ったという本作。病魔と闘うヒロインのエレナを演じた、『パリより愛をこめて』のカシア・スムトゥニアクは 8 キロ減量、本作が映画デビューの夫役フランチェスコ・アルカは逆に 13 キロ増量しており、リアルな年齢の変化を感じることができます。
また、ポスタービジュアルからは、エレナとアントニオの男女の愛だけではなく、いつも見守ってくれる母や叔母、子供たち、エレナの親友でゲイのファビオなど、さまざまな愛がエレナを温かく取り囲んでいる様子がうかがえます。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53755

執筆者

Yasuhiro Togawa